7月29日現地時間午後3時10分、F1第12戦ハンガリーGP決勝が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾った。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは6位入賞を果たしている。
この日は土曜とは打って変わって朝から晴天に恵まれ、気温は34度、路面温度は57度と非常に暑いコンディションとなった。
パルクフェルメでランス・ストロール(ウイリアムズ)は、フロントウイングを別スペックに交換しサスペンションのセッティングも変更したため、ピットレーンスタートが義務づけられることとなった。
前日の予選が雨だったためスタートタイヤは全車が自由に選択でき、上位勢はウルトラソフトタイヤをスタートに選び、トップ10ではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とカルロス・サインツJr.(ルノー)だけがソフトタイヤを選択した。
11番手以下ではマーカス・エリクソン(ザウバー)とセルジオ・ペレス(フォース・インディア)がウルトラソフト、ピットスタートのストロールはミディアム、それ以外はソフトを選んだ。
スタートは大きな混乱なくポールポジションのハミルトンがホールショットを奪い、バルテリ・ボッタス(メルセデス)が2番手。その背後につけたキミ・ライコネン(フェラーリ)をベッテルがターン2でアウト側からパスして3番手に上がった。
5番手には好発進でターン1までにガスリーとサインツを抜いたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がつけ、その後の攻防でガスリーが6番手、ケビン・マグヌッセン(ハース)が7番手、サインツ8番手、ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)9番手、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)が10番手という順位になった。
ターン1でエリクソンに追突されたダニエル・リカルド(レッドブル)は、事なきを得て15番手からじわじわと中団勢を抜いていく。
6周目にフェルスタッペンは、パワーを失いコース脇にストップしてリタイアとなってしまう。これでガスリーは5番手に浮上した。
そしてフェルスタッペンのマシンを回収するためバーチャルセーフティカー(VSC)が導入。無事マシンの回収を終え、VSC解除と同時にロマン・グロージャン(ハース)はフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)をパスして10番手に上がり、9周目にはリカルドもアロンソをパスする。
14周目には4番手ライコネンがピットインしてソフトタイヤに交換するが左リヤに手間取って5.1秒を要してしまう。翌周ピットインしてボッタスのアンダーカットを狙おうとしたベッテルだったが、ボッタスがピットインしてきたためステイアウト。これでボッタスはガスリーの後方に下がったがすぐに抜いて3番手に復帰する。
首位ハミルトンはウルトラソフトを上手くマネージメントし、当初の予定よりも10周以上長く保たせる戦略に。これにソフトタイヤのベッテルも同等のタイムでついていくが7秒の差はなかなか縮まらない。
23周目にヒュルケンベルグがピットインすると翌周にはハートレー、さらに25周目にはサインツもピットインを済ませ、サインツ、ハートレー、ヒュルケンベルグの順のままで戻るが、ステイアウトしていたグロージャンが29周目にピットインしてヒュルケンベルグとハートレーをオーバーカットすることに成功する。
ガスリーは31周目にピットインし、ソフトのままステイアウトしているリカルドの後ろ6番手を確保する。
38周目にライコネンが2回目のピットインを済ませると、ベッテルも翌39周目にピットイン。これでボッタスの後方に戻るがベッテルはウルトラソフトを履いた上にボッタスのソフトタイヤとのエイジ差を生かして一気にボッタスとの差を縮めテールトゥノーズのバトルに持ち込んでいく。
中団ではマクラーレン勢もようやくピットインし、ルノー勢、グロージャン、そしてハートレーをオーバーカットすることに成功してアロンソが8番手、ストフェル・バンドーンが9番手とポジションを上げた。リカルドも44周目にピットインしガスリーの14秒前方で5番手を確保する。
51周目にバンドーンが最終コーナーの立ち上がりでギヤボックスが壊れストップ。すぐにVSCが導入され、メルセデスAMGはピットストップの準備を進めるが入らず。ヒュルケンベルグだけがピットインし52周目にはすぐにレースは再開となった。
首位ハミルトンはひとり旅で、2番手ボッタスはリヤがタレ始め3番手ベッテルの追撃を受け、4番手ライコネンもこの2台に追い付いてくる。5番手リカルドは単独走行で、6番手ガスリーは7番手マグヌッセンに対して8秒のギャップをキープして走り続ける。しかし11番手ハートレーは10番手グロージャンに対してギャップを縮めていくことができない。
65周目のターン1立ち上がりでボッタスに並びかけたベッテルは続くターン2でアウト側から前に出るが、そのアプローチでタイヤをロックさせ行き場を失ったボッタスは、ベッテルに接触しフロントウイング右側の翼端板を失ってしまった。
これでベッテルが2番手、ライコネンが3番手に浮上。ボッタスはさらに68周目のターン1でアウト側から抜こうとしたリカルドとも接触し、リカルドは大きく押し出されると同時に右側のポッドフィンに大きなダメージを負ってしまう。リカルドは再びボッタスを追い上げていき最終ラップにボッタスを抜いて4番手に上がる。
ハミルトンはそのままベッテルを寄せ付けず17.123秒の差を保ったままトップでチェッカードフラッグを受けて優勝。2位ベッテル、3位ライコネン、4位リカルド、5位ボッタスという順になった。
残り10周でマグヌッセンはじわじわとガスリーとのギャップを縮めていったが最後は再び13.668秒もの差を広げてガスリーが殊勲の6位でフィニッシュ。7位マグヌッセン、8位アロンソ、9位サインツ、10位グロージャンという入賞圏で、ハートレーは1.355秒届かず11位でのフィニッシュとなった。