ベルギー、スパ・フランコルシャンで開催されている第70回トタル・スパ24時間は7月29日、現地18時30分過ぎに決勝レースのフィニッシュを迎え、ワーケンホルスト・モータースポーツの34号車BMW M6 GT3(フィリップ・エング/トム・ブロンクビスト/クリスチャン・クローンズ組)が総合優勝を果たした。
28日18時30分に定刻通りスタートが切られた2018年のスパ24時間は、序盤からフルコースイエロー(FCY)が断続的に導入される荒れた展開に。それに伴い上位陣の入れ替わりも激しいものとなったが、レース中盤の赤旗中断後はFCYの回数こそほぼ同数ながら、展開としては比較的落ち着いた様相に変わっていく。
現地の深夜3時過ぎ、レース時間ではスタートから10時間過ぎにオールージュで発生したマルチクラッシュの処理のために提示された赤旗はその後、約1時間25分にわたって各チームのマシンを足止めすることとなった。
隊列を組み直すセーフティカーランの後、再スタートが切られたのはチェッカーまで残り12時間40分となった頃。この時点でのトップはワーケンホルストの34号車BMW M6 GT3で、メルセデスAMG・チーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3が2番手でBMWを追いかける展開となる。
夜明けを迎えた14時間過ぎになると、ローヴェ・レーシングの99号車BMW M6 GT3と前年勝者のアウディスポーツ・チーム・サンテロックの25号車アウディR8 LMSが上位に進出。以後、34号車BMWと99号車BMWがピットタイミングごとに総合首位を入れ替える形でレースが進んでいく。
そんなレースが動いたのはチェッカーまで残り3時間を切ったタイミングだった。コース上にストップした車両を回収するために出された今レース12回目のFCYの間に、上位につける34号車BMW、99号車BMW、25号車アウディ、さらにモンタプラスト・バイ・ランド-モータースポーツの29号車アウディR8 LMSが同時にピットへ。これで上位陣のストラテジーはみな同じとなり、ラスト約3時間のガチンコ勝負に突入した。
一方でこのFCYの直前まで3番手を走行しコーションの間際にピット作業を終えていた4号車メルセデスは、FCYの恩恵を受けられず。不運にも表彰台圏外に後退することとなってしまった。
■ホンダNSX GT3がスパ24時間初参戦初完走
優勝争いが実質的に4台に絞られた終盤戦は、これまでの荒れ模様が嘘のように落ち着いた展開に。そのなかで21時間過ぎからレースをリードした34号車BMWは、同じBMW陣営のローヴェに対してつねにセーフティマージンを築くと、ラスト1時間を切って迎えた最後のピットストップも完璧に決めて最後は10秒差でトップチェッカーを受けた。BMWはローヴェ・レーシングの99号車BMWが総合2位に入ったことでワン・ツー・フィニッシュを達成している。
総合3位はラスト1時間を4番手で迎えた29号車アウディ。それまで3番手を走行していた25号車アウディは、最後のピットストップに入るインラップでスローダウンしてしまったことで表彰台を逃してしまった。
ブラックファルコンの4号車メルセデスは総合5位、赤旗中断からのリスタート時に3番手についてきたメルセデスAMG・チーム・AKKA ASPの88号車メルセデスAMG GT3が6位に続き、GT SPORT・モチュール・チームRJNの23号車ニッサンGT-RニスモGT3が日本車勢最上位となる総合7位でチェッカーを受けている。
その他の日本車勢は23号車GT-Rの僚友、22号車GT-Rが総合37位/クラス5位。リカルド・パトレーゼやベルトラン・バゲットらを擁すカストロール・ホンダ・レーシングの30号車ホンダNSX GT3は総合32位/クラス7位に。
エミール・フレイ・レーシングの14号車レクサスRC F GT3は総合13位でフィニッシュとなったが、僚機の114号車レクサスはスタートから8時間30分過ぎにオールージュで大クラッシュを喫し、リタイアでレースを終えている。