WRC世界ラリー選手権は7月29日、第8戦フィンランドのSS20~23が行われ、SS1で総合首位に立っていたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が逃げ切って優勝。トヨタに4月に行われた第5戦アルゼンチン以来となる、2018年シーズン2勝目を手にした。
トヨタにとってホームイベントとなるラリー・フィンランドに臨んでいるタナクは、26日に行われたSS1で首位に立つと、続く27日はマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)と何度もトップの座を入れ替える接戦を繰り広げた。
翌28日はステージへの出走順が後方になったこともあり、タナクはこの日に行われた8SS中5SSでステージトップタイムを刻んでリードを拡大。総合2番手のオストベルクに対し39秒のリードを築いて競技最終日を迎えた。
充分なマージンを築いていることもあり、トップを走るタナクはリスクを避けた走りに徹してポジションをキープ。32.2秒のリードで挑んだ最終SSではボーナスポイント獲得を目指して猛プッシュし、ステージトップタイムを記録して今季2度目の総合優勝を成し遂げた。
タナクはフィニッシュ直後に妻とキスを交わしたほか、観戦に訪れていたトヨタ自動車豊田章男社長と抱き合って、優勝の喜びを分かち合った。また、これでシーズン2勝目を手にしたトヨタはチームランキング2位につけるMスポーツ・フォードに対し、1点差まで迫ってみせた。
オストベルクとヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が争っていた総合2位の座は、2.5秒差で挑んだ最終SSでオストベルクがラトバラを0.3秒引き離して、オストベルクが2位表彰台、ラトバラはホームイベントで3位表彰台に登った。
総合4番手で競技最終日を迎えたエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS20のフィニッシュまで残り1kmを切ったところにある左コーナーでマシンが横転するクラッシュを演じ、フロント周りを大破させたため、リタイアを余儀なくされた。
ラッピはクラッシュについて「ペースノートに間違いはなかったが、少し攻めすぎた。こんな形でのフィニッシュは望んでいなかったよ」とコメントしている。
総合4位はヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合5位はセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が獲得。ポイントリーダーのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は総合9位でラリーを終えている。
全13戦で争われている2018年のWRC。第9戦は8月16~19日に行われるラリー・ドイツだ。