メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、エステバン・オコンがルノーへ移籍するのなら、それを阻むことはしないと述べている。
オコンはメルセデスの傘下のドライバーとなってしばらく経つ。メルセデスの支援により、彼は2016年にメルセデスエンジンを搭載するマノーからF1デビューを飾っている。
その後、オコンは2017年にF1でメルセデスのパワーユニットを使用するもうひとつのチーム、フォース・インディアへ移籍している。しかし21歳のオコンは、2019年にはルノーワークスチームへ移籍するのではないかと噂されている。
オコンはかつてルノーの関連企業であるグラビティ・スポーツ・マネジメントと契約していたことがあり、ルノーの傘下にあった。そのため移籍する場合、彼はメルセデスと契約する前の環境へ戻ることになるだろう。
「グラビティが破綻した際に、我々はエステバンを獲得したのだ。彼が実際に初めて関わったチームはルノーだ」とウォルフはハンガリーで行われた金曜のFIA記者会見で語った。
「我々のジュニアプログラムを通して、パスカル(・ウェーレイン)とエステバンはF1デビューさせるのにふさわしい人材と感じた。そして我々は、いずれは彼らが大きな成功を収められるようにと導いてきたのだ」
「彼らがいつか世界チャンピオンに輝くことができるようにするためにね」
しかしウォルフは、メルセデスF1チームがルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスからなるドライバーラインアップとの契約を新たに更新したことから、現時点でオコンやウェーレインへのチャンスはチームに残っていないことを認めている。
「我々はバルテリとルイスという安定したラインアップを擁しており、それがうまくいっている。今の段階でメルセデスシートのチャンスはない」
「もし彼(オコン)にレーシングドライバーとして成功できるような他チームとのチャンスがあり、他チームやコンストラクターもエステバンとともに成功できるのなら、我々はそれを阻むことはしたくない」
■エステバン・オコンが所属するフォース・インディアCOOの見解
フォース・インディアのCOOを務めるオットマー・サフナウアーも記者会見に同席していたが、2019年にドライバーのうちのひとりが他チームへ移籍する可能性についてはそれほど喜んではいない。
「(オコンに)関心が寄せられていることは、嬉しく思う」とサフナウアーは語った。
「彼は素晴らしいドライバーだ。数年前に彼を選び、他チームから関心を持たれるところまでに成長し、我々がその一役を担えたことを嬉しく思う。彼が我々のドライバーである、と言えるのは喜ばしいことだ」
「エステバンが加入した時、素晴らしい話し合いが持たれた。彼とチームの双方に有益なことであればもちろん我々は実行するだろう。もちろん彼の道を阻むことはしない」
「だが、まず何よりも私の仕事はフォース・インディアの経営であるから、チームにとって最善となることを進めていく」
「彼には我々との契約がある。彼が他へ行くというのなら、我々は合意に至らなければならない。彼が望むなら移籍することも、チームに残ることも、なんでも対応できるということだ。彼が他へ行くのは構わないが、ただ話し合いで合意に達する必要があるだろう」