オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC) 7月28日にSS12~19が行われた2018年のWRC世界ラリー選手権第8戦フィンランド。ホームイベントを迎えているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、この日行われた8SSすべてでトップタイムを記録してライバルを圧倒。総合首位のオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が39秒までリードを広げている。
ラリー・フィンランドの競技3日目はフィンランドのユバスキュラ南側に設けられた4ステージを各2回走行する構成だ。
前日はマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)と僅差の首位争いを繰り広げたタナクは、SS12~16まで5ステージ連続でトップタイムを記録し、オストベルクを突き放し、2018年シーズン2勝目獲得に王手をかけている。
「今朝の出走順は昨日よりもはるかによく、いいリズムで走ることができたから、それほど激しく攻めていなかったにも関わらず総合2番手との差を拡げることができた」とタナク。
「午後は路面がかなり荒れており、なおかつ充分な差を築いていたから、さらに慎重に走った。正直なところ、(ペースを)抑えて走るのはあまり楽しくないけど、リードをさらに拡げることができ、よかったと思う」
前日、総合3番手につけていたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS16でタナクと同タイムを記録して、ステージ1位タイにつけたほか、8SS中7SSでトップ3に入る力走で総合2番手につけるオストベルクとの差を17.3秒から5.4秒まで縮めている。
SS2でエンジンストールがあり、総合8番手と出遅れていたエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS17~19の3SS連続でベストタイムを記録して、総合4番手へ浮上。ラトバラとの差を36.2秒とした。
3ドライバーの力走で、トヨタはこの日行われた8SSすべてを制覇。現地午後に行われたSS16~18では3台のヤリスWRCがトップ3を独占した。
■トミ・マキネン、「パフォーマンスは驚くべきものだった」とチームを称賛
チーム代表のトミ・マキネン「3人のドライバー、そして我々のクルマのパフォーマンスは驚くべきものだった」とチームの走りを称賛した。
「今朝のオットのスピードは圧倒的で、もちろんすごい走りだったが、そうは見えずとても簡単に走っているようだったし、すべてを自分のコントロール下に置いていたと思う」
「また、ヤリ-マティとエサペッカもどんどんと走りが良くなっていき、午後は確固たる自信を持って、とてもハードに攻めていた」
「きっと明日は面白い1日になると思う。特に、ヤリ-マティと総合2番手とのタイム差は少ないから、興味深い展開となりそうだ」
競技最終日となる29日はSS20~23の4SSで構成。SS21/23の“ルイヒマキ”はラリー・フィンランドを代表する3連続ジャンプスポットがある名物ステージだ。
全4SSの合計距離は45.72km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は192.97kmとなっている。