WRC世界ラリー選手権は7月28日、第8戦フィンランドのSS12~19が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が首位をキープした。また、TOYOTA GAZOO Racing WRTはこの日行われた全SSでトップタイムを奪う圧倒的な速さをみせた。
競技3日目を迎えたラリー・フィンランド。前日はタナクと総合2番手のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)がたびたびポジションを入れ替える激しいトップ争いが繰り広げられたが、この日はタナクがリードを広げ続ける展開となった。
そのタナクは、SS12でステージ優勝を飾り、前日5.8秒だったリードを14.3秒まで広げると、続くSS13~16まで連続でステージ優勝。オストベルクとの差を27秒まで広げてみせる。
残る3ステージは「(路面)コンディションがラフになっていて、岩を避けるのに必死だった。パワーステアリングにも問題があるようだけど、まだ運転は続けられる状態だった」とタナク。ステージ連勝記録は途絶えたものの、上位タイムを刻み続け、リードを39秒まで広げた。
総合2番手のオストベルクは午後のステージに向けて予備タイヤを多く積む作戦に出たが、これがウエイトとなりペースが上がらず。タナクに差を広げられただけでなく、総合3番手のラトバラに5.4秒差まで詰め寄られている。
タナクがペースを落としたSS17~19では、前日総合8番手だったエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)がステージトップタイムを記録。総合4番手と前日から4つポジションを上げている。前を走るラトバラとは36.2秒差だ。
チャンピオン争いを繰り広げているドライバーのうち、王者セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)は今大会から投入された新型ショックアブソーバーや“ヤリスWRC風”のエアロパーツのフィーリングに馴染めず、総合7番手と低迷。
また、ポイントリーダーのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)もグリップ不足の症状を改善できなかったほか、この日も先頭走者としてコースの“清掃役”を務めることになったため、前日と変わらず総合10番手で走行を終えた。
下位クラスにあたるWRC2クラスでは、トミ・マキネン・レーシングの新井大輝(フォード・フィエスタR5)がクラス7番手、足立さやかがコドライバーを務めるヤルッコ・ニカラ(フォード・フィエスタR5)はクラス14番手で3日目を終えている。
競技最終日となる29日(日)はSS20~23の4SSで構成。最終SSとなるSS23はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージだ。