フェラーリ会長だったセルジオ・マルキオンネが亡くなったチューリヒの病院関係者が、「実はマルキオンネ氏は、1年以上前から重病を患っていた」ことを、死亡後初めて明らかにした。その事実を知っていたのは、限られた近親者のみだったということだ。
フィアット・クライスラーグループのCEOでもあったマルキオンネは、6月中旬に同病院で肩の手術を受け、その後「予想外に病状が悪化し、回復不能の状態になった」と、病院側は公式に発表していた。
その後、死因に関してさまざまな憶測が飛んだことから、チューリヒ大学病院は金曜日に改めて病状説明のリリースを発表した。病院がこの種の対応をするのは、きわめて異例のことと言っていい。
「患者の病態について最大限の守秘義務を守ることは、対象者が誰であれ医療従事者がもっとも重視すべきことのひとつである」と、声明はまず大原則について述べる。
「しかしマルキオンネ氏の逝去直後からさまざまな憶測が飛び、そこには当病院の医療行為の適格性にまで言及するものがあった。これ以上の不正確な情報が流布するのを防ぐためにも、当病院は以下のようなコメントを発表する」
「1年以上前からマルキオンネ氏は当病院を定期的に訪れ、非常に難しい病気の治療を受けていた。われわれもあらゆる先端医療を施してきたが、非常に残念なことに同氏は死去された。われわれの力が及ばなかったことに大きな悔悟の念を抱くとともに、ご遺族に心からの哀悼の意を捧げたい」
イタリアの複数メディアは、生前のマルキオンネ氏は1日二箱のタバコを吸うヘビースモーカーで、その死因は喉頭ガンに関わるものだったと報じている。