ポールポジションを獲得した1号車アウディR8 LMS 7月26日に開幕したブランパンGTシリーズ第7戦トタル・スパ24時間は27日、予選上位20台がポールポジションを争う“スーパーポール”が行われ、ドリス・ファントール駆るアウディスポーツ・チームWRT、1号車アウディR8 LMS(ファントール/アレックス・リベラス/クリストファー・ミース組)がポールポジションを獲得した。
2018年のイベントが節目の第70回大会となるスパ24時間。今大会も近年と同様にブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップの一戦として行われるが、同シリーズが今シーズンより予選方式を変更したことに伴い、ベルギーの伝統レースでもこれに倣う形で予選フォーマットが一部変更されている。
具体的には、昨年までは計2回の予選ののち、予選総合タイム上位となった20台でポールポジションを争うスーパーポールが行われてきた。
これに対し今季は、予選Q1~Q4のなかで各車3~4名のドライバー全員が各セッションでタイムアタックを行ない、その平均ラップでスーパーポールに進出するトップ20台を決定するといった具合だ。スーパーポールについては例年から変わりなく30分間のセッション中に最速タイムを記録したマシンが決勝レースのポールポジションを獲得することとなる。
そんなスーパーポールは、直前に実施された予選ウォームアップのセッション終了時間延長の影響を受け、定刻より18分遅れの現地時間18時48分にセッション開始となった。
ピットロード出口のシグナルがレッドからグリーンに変わると同時にコースインしたはローヴェ・レーシングの99号車BMW M6 GT3。これに複数の車両が続いていくなかで99号車BMWを駆るニック・キャツバーグが最初のアタックを行ない2分20秒239をマーク。これが各車のターゲットタイムとなっていく。
■日本車勢で唯一出走のレクサスRC F GT3は下位に沈む
キャツバーグのアタックから約1分後、ガレージ59の58号車マクラーレン650S GT3が2分19秒822というタイムでトップに浮上すると、ドライブするコーム・レドガーは連続アタックを敢行し翌周、自己ベストを更新する2分19秒512を記録してみせる。
しかし、セッション折り返しの15分を過ぎたところで元DTMドライバーのマキシム・マルタン駆るR-モータースポート、62号車アストンマーチンV12バンテージがこれを上回る2分19秒183で首位に。
その後、SMPレーシングの72号車フェラーリ488 GT3を駆るダビデ・リゴンが2番手タイムとなる2分19秒433に続いて翌周には全体ベストとなる2分19秒100をマークする。しかし、2度目のアタックタイムは直後、レースディレクターによって抹消されてしまい総合トップはふたたび62号車アストンマーチンに。
多くのマシンがアタックを終了していくなか、シリーズの“強豪”アウディスポーツ・チームWRT勢は終盤になってようやくタイム計測に入る。
ここで1号車アウディをドライブするファントールが驚速ラップを披露。アタック1周目の2分18秒605というタイムで唯一の2分18秒台入りを果たすと、続く2周目には自身のタイムをさらに縮める2分18秒578を記録してポールを手中に収めることとなった。
また僚友の2号車アウディR8 LMSも1号車アウディの直後にアタックを行ない、ニコ・ミューラーが総合2番手タイムとなる2分19秒366を記録してみせる。この結果、第70回スパ・トタル24時間はアウディ1号車と2号車がフロントロウを独占し、3番手に62号車アストンマーチンがつける結果となった。日本勢唯一のスーパーポール進出を果たしたエミール・フレイ・レーシングの14号車レクサスRC F GT3は19番手に終わっている。
28日から29日にかけて行われる24時間の決勝レースは、28日(土)16時30分(日本時間23時30分)にスタートが切られる予定だ。