トロロッソ・ホンダにとって、F1第12戦ハンガリーGPは情報が混乱する中で開幕した。その理由はグランプリ開幕前日に、テクニカルディレクターのジェームス・キーがマクラーレンに移籍するという情報が飛び交ったからだ。
この件に関して、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「いまのところ正式に情報が入ってきていないので、われわれとしてはコメントできない」と語ったが、最初に情報を知ったのは、7月26日の朝だったことからも、トロロッソ・ホンダにとっては寝耳に水だった。
キーの離脱あるいは移籍に関しては、トロロッソも、移籍先として自ら名乗りを上げているマクラーレンもまだ正式なリリースを出していない。ただし、ハンガリーGPにキーがトロロッソに帯同していないことは事実だ。
キーはホンダにとって、田辺TDが技術的な話をする場合のトロロッソ側の窓口だっただけに、トロロッソが今後どうするのかが注目される。
ただし、グランプリの週末だけを考えれば、必ずしもキーは毎戦現場にいたわけではなく、ホンダ側が技術的なやりとりを行う場合のトロロッソ側の窓口は、チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズで変わりなく、ハンガロリンクの現場はいつもの状態でトロロッソ・ホンダはレースに臨んでいた。
■トロロッソ・ホンダF1にとってハンガロリンクは得意コース
初日9番手のピエール・ガスリーは、「バーレーンほどじゃないけど、今日は本当にいい日だった」と、初日のパフォーマンスに満足していた。
15番手に終わったブレンドン・ハートレーも、ガスリーとのタイムはコンマ4秒しか離れておらず、トップ10のエステバン・オコンまで、わずかコンマ2秒。
「順調な一日で、さまざまなテストができた。ここ数戦よりも明らかに出だしはいい。これから一晩かけて走行データを調べ、明日に向けてマシンを最適化したい」と手応えを感じている。
それもそのはず、トロロッソにとっても、ホンダにとっても、ハンガリーGPは相性のいいサーキット。田辺TDも「ハンガリーGPは、歴史的にトロロッソが得意としているサーキット。今日もすべてがスムーズで、全体としてはポジティブな一日でした。今年のクルマでどこまでやれるか楽しみにしたい」と、力がみなぎる。
ハンガリーGPが終わると、F1は夏休みに入る。良い形で夏休みに入るためにも、得意のハンガリーGPは、トロロッソ・ホンダにとって絶対に落とせない一戦だ。