WRC世界ラリー選手権は7月27日、第8戦フィンランドのSS2~11が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位をキープ。5.8秒差の総合2番手にマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)が続いている。
本格的な高速グラベル(未舗装路)ラリーの幕開けとなった競技2日目、前日、総合首位につけていたタナクは、路面コンディションが安定しない3番手走者ながらSS2でステージ優勝を飾って、リードを広げにかかる。
しかし、以降は出走順が遅く、路面コンディションが安定した状態で走行できるオストベルクがペースアップし、SS4でタナクに0.5秒差をつけて総合首位の座を奪った。
直後のSS5ではタナクがトップタイムを刻んだ一方、オストベルクは「いくつかミスをした」とステージ3位となり、ふたたびタナクが総合首位に浮上。続くSS6では0.1秒差でオストベルクがタナクを交わすなど、両者は一進一退の攻防を繰り広げる。
その後はタナクがSS7、9、10でトップタイムを刻んだこともあり、ギャップが徐々に拡大。最終的にタナクが5.8秒までリードを広げて競技2日目を終える形に。
総合2番手はオストベルク、23.1秒差の総合3番手にはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続いている。
チャンピオン争いを繰り広げているティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)とセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)は、ヌービルが序盤にコースオフして30秒近くタイムロスして総合10番手と苦戦。オジエは総合6番手で走行を終えた。
2017年大会ウイナーのエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS2走行中、ブレーキを踏んだ際にエンジンがストールしてしまうアクシデントがあり失速。トップと1分1秒差の総合8番手と大会2連覇は難しい状況となっている。
下位クラスのWRC2では、シュコダから参戦しているカリ・ロバンペッラ(シュコダ・ファビアR5)がクラス首位。日本勢は新井大輝(フォード・フィエスタR5)がクラス11番手、足立さやかがコドライバーを務めるヤルッコ・ニカラ(フォード・フィエスタR5)がクラス17番手だ。
残る勝田貴元(フォード・フィエスタR5)はSS7終了時点でクラス5番手につける力走だったが、SS8走行中、ジャンプの着地でパワーステアリングを破損し、そのままクラッシュ。リタイアとなっている。
競技3日目の28日はSS12~19の8SSで争われる。