7月21~22日に開催されたアルゼンチンの人気ツーリングカーシリーズ、スーパーTC2000の第6戦サン・フアンは、TOYOTA GAZOO Racingアルゼンティーナのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラ)が土曜クオリファイレース、日曜フューチャーレースをともに制し、トヨタ参戦250戦目を祝う連勝を飾った。
特徴的な8の字立体交差のレイアウトを持つアルゼンチン中西部、サン・フアンのアウトドローモ・エル・ゾンダで開催されたシリーズ第6戦は、予選からトヨタ勢が速さをみせロッシがポールポジションを獲得。フロントロウ2番手にもTOYOTA GAZOO Racingのチームメイト、ジュリアン・サンテロが並び、カローラが最前列を独占する形となった。
一方、現王者で今季もシリーズランキング首位を走るファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT)は、予選アタック中にわずかにミスを犯してウォールにヒット。ここまで14戦連続で進出してきたQ3を逃し、12番手に沈む波乱となった。
その土曜クオリファイレースではスタートからカローラ2台がバトルを演じ、サンテロがポールシッターの前を伺うチャレンジに出るが、この動きを見逃さずに隙をついたプジョースポールのファビアン・シャナントゥオーニ(プジョー408)が2番手浮上に成功。後方では2016年王者、ワークス・シボレーのアグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)も4番手へと上がってくる。
その後この4台は後続を引き離すレースペースでパックを形成し、2周目にはカナピノが3番手に上がると、間もなくしてサンテロのカローラを異変が襲ってペースダウン。メカニカルトラブルの影響でポジションを守れず、トップ10圏内からも姿を消すこととなってしまう。
代わって4番手に上がってきたのはカナピノのチームメイト、ベルナルド・レイバー(シボレーYPFクルーズ)で、2番手プジョースポール・アルゼンティーナvsシボレーワークスの構図となるなか、首位を走るロッシのカローラは悠々ギャップを築き、6.5秒のマージンを持って13周のトップチェッカー。続く日曜のフューチャーレースに向け、ポールポジションを確保することとなった。
迎えた日曜は正午スタートの決勝を前に、ウォームアップ走行でシトロエンC4ラウンジに乗るマティアス・ミラが大クラッシュ。220km/hからトラブルによりブレーキを失い、そのまま速度を殺せずにウォールへとヒットし、マシンは大破。しかし33歳のミラ自身は搬送された病院で無事が確認され、レースを前にサーキットに戻り無傷であることを証明すると同時に、チームとともに決勝の行方を見守ることとなった。
そんな波乱のなかでスタートを切ったフューチャーレースは、オープニングラップで選手権首位アルドゥソのルノー・フルーエンスGTがエンジントラブルでストップ。前日もポイント圏外に終わっていたチャンピオンにとって、不運続きの週末となってしまう。
一方、先頭は前日のトップ4がそのままポジションをキープして進む展開になり、アルドゥソのマシン回収で出動していたセーフティカー(SC)が明けると、8周目にはカナピノがシャナントゥオーニのプジョーをパスして2番手に。
その直後、6番手を走っていた同じくプジョー408のマリアーノ・ウェルナーが8の字ターンのループコーナーでウォールにクラッシュ。これで2度目のSC出動となる。
リスタートでレースリーダーの座を虎視眈眈と狙っていたカナピノは、ロッシのカローラに仕掛けると、トヨタとシボレーは軽いコンタクトを繰り返しながらサイド・バイ・サイドのバトルに。しかしここは首位のカローラが引かずにトップを堅持。
時を同じくして、後方ではルノースポールのワークス・フルーエンスGTとプライベーターのルノーがクラッシュし、すぐさま3度目のSCが導入されることに。
再開後には7番手走行中だった元WTCC世界ツーリングカー選手権レギュラーのネストール・ジロラミ(プジョー408)がトラブルで戦列を去る一幕もあったが、カローラのロッシはリスタートの攻防をしのぎ切り、カナピノ、シャナントゥオーニを抑えて週末2連勝を達成。
TOYOTA GAZOO RacingアルゼンティーナのSTC2000参戦250戦目を勝利で飾り、2位YPFシボレーのカナピノはポイントスタンディングで王者アルドゥソと同ポイントで並び首位浮上に成功している。
続くSTC2000第7戦は、アルゼンチン北端部オベラで8月11~12日に開催される。