F1第12戦ハンガリーGPに向け、ホンダF1テクニカルディレクターの田辺豊治氏は、いいレースをしてシーズン前半戦をポジティブな形で締めくくりたいと語った。
前戦ドイツGPではブレンドン・ハートレーは10位に入ったものの、ピエール・ガスリーはPU(パワーユニット)/エンジンの交換で最後尾スタート、タイヤ交換のギャンブルが外れ、14位にとどまった。田辺氏はレース後「ここ数戦を見ると我々のパッケージにはまだ課題が多いと思っています。来週のハンガリーGPに向けて早急に現状分析を行い、パフォーマンス改善に努めます」と述べていた。
夏休み前最後のグランプリが行われるハンガロリンクは、低速でパワーユニットの性能差が出にくいレイアウトだ。田辺氏はここでパッケージ全体のセッティングを向上させ、好結果を出したいと考えている。
「週末を通して苦しみながら、最後に1ポイントを獲得できたドイツGPを終え、次はハンガリーに向かいます」と田辺氏。
「ここハンガロリンクでは、ホンダのF1通算6勝を挙げています。その中でも1991年の本田宗一郎さん逝去直後のアイルトン・セナの勝利と、2006年のジェンソン・バトン選手の優勝は、私個人にとって思い出深いものになっています」
「例年、ここでは気温が30度を越える中でのレースとなります。ハンガロリンクは平均車速が低い点、また1周の距離が短いために電気エネルギー使用の選択肢が多く、バッテリーの仕事量が増えるなど、PU全体の冷却バランスなどに注意が必要になります。パワー感度については比較的低い一方、低速コーナー立ち上がりなどでのドライバビリティが重要になります」
「チームと一緒にパッケージとしてセッティングを煮詰め、夏休み前の最後のレースをいい形で締めくくれたらと思っています」