DTMドイツ・ツーリングカー選手権のBMWファクトリー・ドライバーであり、元F1のパナソニック・トヨタ・レーシングでレギュラーを務めたティモ・グロックが、同じくBMWドライバーで今季自身2度目となるDTM王座を決めたマルコ・ウィットマンと組み、オーストラリアで開催される伝統の『バサースト12時間耐久』に初エントリーすることとなった。
このふたりとマシンをシェアするのは、豪州V8スーパーカーでタイトル獲得経験を持つ実力者マーク・ウインターボトムで、合計2台がエントリーするBMW M6 GT3の1台をドライブする。
このM6 GT3はBMWワークス体制でのエントリーとなり、オペレーションは現地の有力チームであるスティーブン・リチャーズ・モータースポーツ(SRM)が担当する。もう一方のM6には、3人合わせて『バサースト1000』通算10勝のマーク・スカイフ/ラッセル・インゴール/トニー・ロンハースト組という強力なラインアップがそろった。
グロックがオーストラリアでのレースに参戦するのは、DTM転向以前となる2013年のF1オーストラリアGP以来。またGT3マシンは、昨年アレックス・ザナルディと組んでZ4 GT3で参戦したスパ24時間以来となる。
「少しのブランクを経て、またこうしてオーストラリアでレースができるのは素晴らしいことだ」と、グロック。
「バサーストでドライブしたことはないけれど、(開催地であるマウントパノラマの)このトラックは伝説的な場所だ。僕にとってはM6 GT3も初だし、このマシンとサーキットへの挑戦を本当に楽しみにしているよ」
一方、先月のDTM最終戦ホッケンハイムでアウディのエドアルド・モルタラを破り、3年ぶり2度目のタイトルを獲得したウィットマンも、バサースト参戦は今回が初となる。
ウイットマンは「現時点では、コンピュータゲームでしかマウントパノラマを走ったことがないんだ(笑)」と明かす。
「象徴的な場所だし、ドライブするのが本当に楽しいトラックだと思う。BMW M6 GT3での最初のラップが本当に待ちきれない気分だ。GT3マシン自体はニュルブルクリンクとデイトナですでによく知っている。僕の経験がチームに役立つことを願っている」
もうひとりのドライバーである地元勢のウインターボトムは、現チーム代表のリチャーズとともにV8スーパーカーシリーズの1戦であるバサースト1000を制覇。フォード・パフォーマンス・レーシングの黄金時代を作った。
そのウィンターボトムも12時間への参戦は初。彼にとってはGT3マシン・デビュー戦ともなる。