7月26日にSS1が行われて開幕した2018年のWRC世界ラリー選手権第8戦フィンランド。フィンランドに拠点を構えており、ホームイベントとして臨んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRTは、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位発進を決める好スタートとなった。
グラベル(未舗装路)イベントながら、路面がスムーズなため速度が上がりやすく、シリーズ最速のアベレージスピードで争われるラリー・フィンランド。トヨタは同国にファクトリーを構えているほか、チーム代表のトミ・マキネンやドライバーのヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)、エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)などもフィンランド出身で、チームにとってはホームイベントと呼べる1戦だ。
SS1に先駆けて26日午前中にフィンランドの都市ユバスキュラ近郊で行われたシェイクダウンで、トヨタ陣営はエースのラトバラが3番手タイムを記録したほか、タナクが4番手、ラッピが10番手につけた。
迎えたSS1はユバスキュラ市内に設けられた特設ステージ。グラベルとターマック(舗装路)が入り交じる2.31kmのミックスステージで、タナクはチャンピオン争いを繰り広げるライバルを抑えて総合首位につけた。
また、ラッピはタナクと1.7秒差の5番手、ラトバラは2.3秒差の8番手に続き、トヨタは3台揃ってトップ10入りを果たす好スタートを切った。
■トヨタのエース、ラトバラ「第一目標はミスなく走ること」
チームでチーフエンジニアを務めるトム・フォウラーは「今晩最初のステージ(SS1)とは違い、午前中のシェイクダウンはラリー・フィンランドの主要なSSと共通する部分が多いグラベルコースだったが、路面のコンディションが急速に悪くなっていったため、他のチームのクルマとのタイム比較は難しいと思う」とコメントしている。
「我々のクルマに問題は何もなく、ドライバーたちもクルマのセットアップを大きくは変えなかった。今年のSSはテクニカルでツイスティなセクションが増えたが、それでも大部分は道幅が広く、ハイスピードでジャンプも多い典型的なラリー・フィンランドのステージだ」
「そのような道に対し我々は自信を持っているが、ライバルも進化しており、有利な出走順の選手もいるので、明日からの競争はかなり激しくなるだろう」
総合首位につけたタナクは「最初の市街地SSは、途中にかなりハイスピードなセクションもあり、とても挑戦し甲斐がある良いステージだった。ミスのない良い走りができてうれしく思うよ」と述べた。
「我々のクルマはこのラリーで高い戦闘力があると思うから、それを最大限引き出して走る必要がある。きっと長く、厳しい戦いになるだろうが、目標はトップに立つことだ」
またラッピは「朝のシェイクダウンでもクルマのフィーリングは良く、運転が簡単に感じられ、リスクを冒すことなく走った」としたほか、ラトバラも「今回のラリーでの第一目標はミスなく走ることだが、もしすべてがうまくいけば表彰台フィニッシュや、優勝争いに加わることもできるはず」と期待感を示している。
本格的なラリーがスタートする競技2日目の27日はSS2~11の10SSでの開催。このうちSS4、9の“アサーマキ”は今年から新設されたステージとなるほか、そのほかのステージもレイアウトの一部が変更されている。また、SS3、8の“ウリア”はステージ中に大きなジャンピングスポットがある名物ステージだ。
全10SSの合計距離は126.37km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は539.93kmとなっている。