NTTコムリサーチは7月12日、「テクノロジーの活用と労働時間に対する意識」についての調査結果を発表した。調査は今年6月にインターネットで実施し、従業員規模10人以上のホワイトカラー職種会社に務める20歳以上の経営者・役員を含む雇用者1100人から回答を得た。
現在、働き方改革に取り組んでいる企業の割合は38.9%で。2015年度調査(22.2%)から年々増加傾向にあり、昨年度(36.4%)をわずかに上回った。企業規模別にみると、1000人以上の企業では62.3%取り組んでおり、規模が小さくなるにつれ割合は少なくなる。
プラスの変化は「労働時間が減少している」「休暇が取得しやすくなる」
業種別に見ると、最も実施率が高いのは「金融・保険業」(57.7%)で、次いで「通信・メディア業」(55.9%)が続く。以降、「コンピュータ・情報サービス業」(46%)、「製造業」(41.5%)、「運輸・建設・不動産業」(33.8%)、「流通・商業」(31.8%)、「教育・医療・その他サービス業」(31.0%)となっている。
働き方改革に取り組んでいる企業の人に「どのようなプラスの変化があるか」を聞くと、「労働時間が減少している」(34.3%)、「休暇が取得しやすくなる」(32%)が多かった。以降、「気持ちに余裕が生まれる」(24.5%)、「生産性が向上している」(18.5%)等が続く。
一方、マイナスの変化を聞くと「ない」(43.2%)が最も多かったものの、「収入が減少している」(22.9%)、「気持ちの余裕がなくなっている」(18.5%)、「やらされ感が増加している」(15.0%)という人も2割程度いた。
未実施企業が取り組んでほしい施策「休暇取得の推進」「無駄な業務の洗い出し、削減」
現在取り組んでおり、今後も継続してほしい施策で最も多かったのは「休暇取得の推進」(48.4%)。次いで「働き方改革に対するトップのメッセージの発信」(45.3%)、「長時間労働の削減のため、労働時間の削減目標の設定」(41.4%)、「労働時間の見える化」(40.4%)と続く。
また、働き方改革未実施企業の人が、会社に取り組んでほしいものは「休暇取得の推進」(29.8%)が最多で、次いで「無駄な業務の洗い出し、削減」(20.5%)、「『ノー残業デー』の厳格な実施」(18.8%)となった。
働き方改革に取り組んでいる企業の従業員の3割以上が、「電話会議やWeb会議等の電話以外の音声・映像」「ビジネスチャット、LINE等の電子メール以外の文書」を活用していることがわかった。
とりわけ、働き方改革に取り組み、プラスの効果として「生産性向上」を挙げている企業の従業員の72.2%が、このようなコミュニケーションツールを活用している。働き方改革の実現へ向けて、タイムリーな情報連携、迅速な問題解決や意思決定をするためにITを活用することは必要不可欠だといえるだろう。