映画『2重螺旋の恋人』の場面写真が公開された。
8月4日公開の同作は、アメリカの作家ジョイス・キャロル・オーツの双子をテーマとした短編小説『Lives of the Twins』をフランソワ・オゾン監督が翻案したもの。主人公クロエが、容姿は同じで中身は正反対の双子の精神科分析医ポールとルイとの禁断の関係にのめり込んでいく姿を官能的に描く。原因不明の腹痛に悩まされるクロエ役にマリーヌ・ヴァクト、クロエと心理的にも肉体的にも激しい駆け引きを演じる双子の精神分析医役にジェレミー・レニエがキャスティング。
今回公開されたのは、クロエの精神的な不安や登場人物の心情を視覚的に投影したとされる場面写真。美術品に囲まれて美術館で働くクロエの姿や、ポール、ルイそれぞれの診察室の待合室のシーン、建築家ロベール・マレ=ステヴァンスによる螺旋階段などが写し出されている。
同作で、登場人物の性格の変化や心理を視覚的に美術で表現することに挑戦したというオゾン監督は、「クロエが働く現代美術館では、作品は冒頭ではかなり美しく見えるのですが、映画が進むにつれて、クロエ自身の不安を投影し、有機的で恐ろしいものになっていきます」「精神分析の治療のシーンは、特に美術の点において、二人の兄弟の間では全てが正反対に構築されています。ポールの診察室は快適で、皮革や絨毯、暖色を使い、温かみがあります。しかし、ルイの診察室は造花、大理石、寒色を使い、冷たい感じがします」と語っている。