WRC世界ラリー選手権の最上位クラスにタイヤを供給しているミシュランは、7月26日開幕の第8戦フィンランドから、新タイヤを投入。グラベル(未舗装路)用タイヤにミディアムタイヤが追加されたほか、ソフトタイヤも改良された。
新たに開発された“M6”と呼ばれるミディアムタイヤは既存のハードタイヤとソフトタイヤの間を埋めるもの。タイヤへの攻撃性の低い路面やダンプコンディションでの使用が想定されており、作動温度領域は15度以下とされている。
改良された“S6”ソフトタイヤは、M6タイヤよりさらに攻撃性の低い路面やダンプ、ウエットコンディションでの使用が想定されており、作動温度領域はM6と同様の15度以下だ。
WRCのレギュレーションでは各チームが持ち込めるタイヤは1大会につき2種類と規定されているため、新たにミディアムタイヤが追加されたことでタイヤ戦略に幅が生まれることになる。
ミシュランでラリープログラム・マネージャーを務めるアルノー・レミーは「より幅広い選択肢を提供することで、各WRCグラベル戦の特徴的な路面に向けてファインチューンを施すことができた」と述べている。
「これまで提供してきたハードタイヤとソフトタイヤは、日差しの厳しい(イタリア)サルディニアや標高の高いメキシコ、路面がぬかるむイギリスなど、幅広い路面コンディションをカバーしてきた」
「今後は選択肢が3つになることで、我々のパートナーはよりコンディションに適したタイヤを選ぶことが可能になり、競争力強化を図ることができる。おそらくミディアムタイヤがスタンダードな選択肢となり、状況によってソフトやハードといったタイヤが選ばれるだろう」