エミール・フレイ・レーシングのレクサスRC F GT3 7月26~29日にベルギー、スパ・フランコルシャンで開催されるブランパンGTシリーズ第7戦『トタル・スパ24時間』を直前に控えた25日、同シリーズをプロモートするSROモータースポーツグループがBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)の最新版をリリースした。このBoPによってレクサスRC F GT3を含む合計9車種のGT3カーの性能調整値が更新されている。
第70回の記念大会となる2018年のスパ24時間はサーキット周辺での公開車検やパレードを終え、26日から本格的なレースウイークを迎えるが、その直前にスパ用のBoPが明らかになった。
このなかで比較的大きな変更を課されたのは今季からフル参戦を開始したレクサスRC F GT3と、同じく2018年から第2世代となったベントレー・コンチネンタルGT3の2モデルだ。
RC Fと新型コンチネンタルGT3は6月上旬に行なわれたブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップ第3戦ポール・リカール6時間において、レース終盤に優勝争いを展開。最終ラップまでもつれた熱戦はエミール・フレイ・レーシングが走らせるレクサスの逆転勝利に終わっている。
今回、この2車種には15kgの追加ウエイトが与えられたほか、ベントレーにはエンジン回転数6500~7200rpmの間のターボブースト圧の最大値が縮小されることとなった。
■スパ24時間初参戦のNSX GT3はパワーアップ
この他の車種ではローヴェ・レーシングなどが走らせるBMW M6 GT3にプラス10kg、GT SPORT・モチュール・チームRJNの2018年型ニッサンGT-RニスモGT3をはじめ、ホンダNSX GT3、マクラーレン650S GT3、アストンマーチンV12バンテージGT3に各5kgのウエイトが加算される。
このうち、2018年型GT-Rとマクラーレン650S、ホンダNSXについては最低重量の増加に加えてターボの過給圧最大値も変更。GT-Rと650Sがエンジンパワーを落とされる方向での調整が行なわれた一方、NSXはわずかにブースト圧が引き上げられている。
自然吸気エンジン車のポルシェ911 GT3 Rは5kgの重量マイナスとなったが、同時にエアリストリクター径が1.5mm縮小されることに。また、エミール・フレイ・ジャガーG3 GT3も径が2mm小さいエアリストリクターの装着が義務付けられた。
昨年のスパ24時間でポールポジションを獲得したフェラーリ488 GT3をはじめ、ランボルギーニ・ウラカンGT3、アウディR8 LMS、メルセデスAMG GT3ついては今回、BoPの変化はみれなかった。また旧型のベントレー・コンチネンタルGT3とニッサンGT-RニスモGT3も同様の状態でレースに臨むこととなる。
なおSROは、これまでのレースと同様に今大会でもレースウイーク中に追加のBoPをリリースする権利を有しており、予選あるいは決勝レース前に再調整が行なわれる可能性がある。