2016年11月に公開されたアニメーション映画『この世界の片隅に』より、本作に新規場面を付け足した別バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が2018年12月に公開決定。片渕須直監督よりコメントも到着した。
『この世界の片隅に』は、こうの史代による同名コミックが原作。
第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた珠玉のアニメーション作品。
2016年キネマ旬報ベストテンでは『となりのトトロ』以来アニメでは2回目となる日本映画第1位、アヌシー国際アニメーション映画祭では長編部門審査員賞を受賞など、国内外から高い人気を誇る。
そして本作の別バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、「さらにいくつもの人生」をテーマに、もうひとつの映画として新たに約30分の新規シーンを追加。
主人公すずと、すずが嫁ぎ先の町で初めて出逢う同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソードや、妹すみを案じて過ごす中で迎える20年9月の枕崎台風のシーンといった、現行版には収録できなかった原作の魅力的なエピソードを新たに描く。
今回特報映像とティザービジュアルも公開された。監督自らが制作した特報映像では、コトリンゴが歌う『悲しくてやりきれない』に乗せて、指につけた紅によってリンさんの横顔が描かれている。
また「リンさんをさがして。そう、うちの声が言うのが聞こえた…」というすずの声が新たに収録されており、より深い物語を予感させる作りだ。
本作について片渕監督は「戦争しおってもセミは鳴く。ちょうちょも飛ぶ。そして、人には人生がある」と前置き「それが戦争中であっても。明るくぼーっとした人のように見えるすずさんが自分以外の『世界の片隅』と巡り合うとき、すずさんの中にはどんな変化が生まれるのでしょうか。すずさんの中にあったほんとうのものを見つけてください」とコメントしている。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は2018年12月、テアトル新宿・ユーロスペースほかにて全国公開。
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓/ 澁谷天外(特別出演)
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典 美術監督:林孝輔
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 監督・脚本:片渕須直 製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル 製作:2018「この世界の片隅に」製作委員会
(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会