「新潮45」8月号に掲載された性的少数者への差別的な内容の寄稿や、ツイッターでの発言が批判されている自民党の杉田水脈議員。7月23日に「殺人予告があった」と発表して以後、この話題に関してツイッターでもブログでも沈黙を貫いている。
こうした中、杉田議員の過去の発言が注目されている。杉田氏は、今回話題になった寄稿以外にも、LGBTに差別的な主張を繰り返してきた。議員の主張の主軸にあるのは、性的少数者は支援される必要がなく、「普通」ではない存在、というものだ。
「LGBTをいじめやハラスメントなど他の問題に転嫁して人権被害と主張するのはばかげている」
2015年、宝塚市がLGBTの支援策を検討していた際には、ブログで
「日本では基本的人権が保障されています。性別や年齢に関係ありません。LGBTの人たちにも当然保障されています。この上で、『女性の権利を』とか『LGBTの人たちの権利が』とかというのは、それぞれ、『女性の特権』『LGBTの特権』を認めろ!という主張になります」
「普通の生活が保障されてもできない人の為の支援策は必要です。(障害者の方や病気にの方の支援策など)それ以外は不要です」
と、明確に反対の立場を取っている。
2017年に出版された著書『なぜ私は左翼と戦うのか』の中にも、同様の記述がある。ブログで、渋谷区のパートナーシップ制度に反対の意見を書き「大炎上」した時のことを振り返り、「男女平等は実現しえない妄想」という自身の主張を再度書き出している。
「子どもを産むために男女が一緒になるのは自然の摂理です。性差があってこそ互いに惹かれあい、結び付くわけです」
「LGBTの権利を主張する人は、権利があることを積極的に啓蒙するために教育の中に取り込もうと主張しています。また、いじめやハラスメントなど他の問題に転嫁し、一般的な人権被害として主張しています。これは全くばかげています」
男性の育児や、女性の社会進出にも否定的だ。
「家庭の役割における男女平等なんてありえません。男性は男性の役割があり、女性は女性の役割があります」
安倍首相が「杉田さんは素晴らしい」と絶賛? 2017年の衆院選では比例単独1位
2016年、産経新聞に連載していた「杉田水脈のなでしこリポート」では、
「旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります。その活動の温床になっているのが日本であり、彼らの一番のターゲットが日本なのです。これまでも、夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援などの考えを広め、日本の一番コアな部分である『家族』を崩壊させようと仕掛けてきました」
と、LGBTに関する陰謀説を唱えていた。
杉田議員は、民間企業、市役所勤務などを経て、2012年の衆院選で日本維新の会から出馬。比例近畿ブロックで復活し初当選した。その後、日本維新の会が分党するのに伴って次世代の党に参加。2014年の衆院選では次世代の党から出馬したが落選している。
自民党から出馬したのは、2017年の衆院選が初めてだ。櫻井よしこ氏によると、安倍首相が「杉田さんは素晴らしい」と杉田議員を褒め、熱心に誘ったと言われているという。
中国ブロックから名簿順位17位で出馬したが、16位までの候補者が重複立候補者だったため、比例単独では1位だった自民党を支持すれば杉田議員の当選はほぼ確実、という状況だった。自民党にとっては何としてでも当選させたい重要人物、ということなのだろう。