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ブリヂストン 2018年86/BRZ Race第5戦富士 レースレポート

2018年07月25日 12:31  AUTOSPORT web

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#34 佐々木雅弘
2018 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第5戦プロフェッショナルシリーズ
マシントラブルもリカバーし佐々木雅弘が2連勝を飾る
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2018年07月21日(土)~2018年07月22日(日)

 全9戦で行われる今シーズンのTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race。今回の富士スピードウェイは、その折り返し点となる第5戦。シーズン後半戦への可能性を残すためにも、良いリザルトを手にしたいところだ。
 
 高い路面温度となることが予想され、単にタイヤの性能だけでなく、その性能を維持して上手く生かすことができるか、ドライバーのスキルが問われる。
 
 エントリーは40台だが、その大半をブリヂストン装着勢が占めており、それだけにシビアな戦いが展開されることは間違いなかった。

●予選
 予選開始直後、すぐさまタイムアタックに入ったベテラン#60服部尚貴選手(DL)が2分5秒177をマーク。しかし予選が進んでいくなかで、他の選手たちはそのタイムに届かない。2位以下には、この週末に調子を上げてきた#97小河諒選手(ブリヂストン)、好調な大阪トヨタチームの#90阪口良平選手(ブリヂストン)と#32市森友明選手(ブリヂストン)が続く。
 
 しかし予選終盤、満を持して#82谷口信輝選手(ブリヂストン)がコースイン。しかし小河諒選手には届かず3位。だが、その谷口信輝選手のスリップストリームを上手く使った#34佐々木雅弘選手(ブリヂストン)が服部尚貴選手との差わずか1000分の7秒の2位へと割り込んだ。
 
 ブリヂストン装着勢は、ポールポジションこそ逃したものの、2位から14位までを占め、安定した高性能を発揮してみせた。

●決勝レース
 お昼の60度を超える路面温度のなかで行われたクラブマンシリーズの決勝Aレースよりも4時間遅く、プロフェッショナルシリーズの決勝レースでは路面温度も50度まで下がっていた。ファイナルラップまでタイヤの性能を維持することがドライバーに求められた。
 
 2番手からスタートした佐々木雅弘選手にチャンスは早く訪れ、2周目のダンロップコーナーでトップに立ち、そのままリードを拡げていった。強い時の佐々木雅弘選手らしいレース展開に見えた。
 
 その後方では神奈川トヨタチームの#1近藤翼選手(ブリヂストン)と小河諒選手、そして谷口信輝選手の3台が熾烈な3位争いを展開。そのため、トップ2台との距離は少しずつ開いてしまう。
 
 様相が大きく変わったのは7周目、佐々木雅弘選手はミッショントラブルから0.6秒以上のマージンを失い、服部尚貴選手にピタリと背後に着かれてしまう。そこからテール・トゥ・ノーズ、時としてサイド・バイ・サイドの超接近戦が、ファイナルラップまで続いた。明らかにペースで上回る服部尚貴選手だが、それを巧みなブロックで佐々木雅弘選手が抑え続ける。
 
 その激しい攻防は、そのままの順位でチェッカーフラッグを受け、終了となった。佐々木雅弘選手は、前戦岡山国際サーキットに続く2連勝となり、シリーズポイントでもトップに2ポイント差まで迫る2位となった。
 
 3位には今シーズン初表彰台となった近藤翼選手、チームメイトの小河諒選手が4位。谷口信輝選手は5位となるなど、ブリヂストン装着勢はトップ10に9台という結果となった。

●コメント
プロフェッショナルシリーズ決勝で、前戦に続き2連勝を果たした#34佐々木雅弘選手(ブリヂストン)のコメント
「いやぁ、厳しいレースでした。2周目の早いタイミングでトップに立つことができて、リードも広げられたのですが、7周目から2速から3速にシフトアップする時にニュートラルに入ってしまうトラブルが出てペースが悪くなってしまいました」

「最後の2周はピタリと後ろに付けられてしまったんですが、何とか抑えて優勝することができました。タイヤ自体は最後まで応えてくれていたので、トラブルが出ても抑えられたんだと思います」

2018 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第5戦クラブマンシリーズ
橋本洋平がファイナルラップに2位に立ち、今季初表彰台を獲得
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2018年07月21日(土)~2018年07月22日(日)

 86&BRZにとってはホームコースともいえる富士スピードウェイ。TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceのシリーズのなかでも、常にトップのエントリー台数を集めてきた。しかも今シーズンは富士スピードウェイでの開催は1レースのみ。当然多くのドライバーたちが集まることは予想されていたが、クラブマンシリーズは実に110台という過去最高台数を記録することになった。
 
 決勝レースは予選上位45台が決勝Aレース、予選下位45台が決勝Bレースとなっており、残り20台は予選落ちとなる。ドライバーたちは、まず厳しい予選を勝ち抜く必要があった。

●予選
 大量のエントリーのため、これまでの2組ではなく、初めて3組に分けて予選が行われた。各組1位のタイムを比較し、1位の組1位、2位の組1位、3位の組1位、1位の組2位、2位の組2位……という並びでスターティンググリッドが決まる。
 
 予選1組では#0神谷裕幸選手(DL)が2分6秒960をマーク。それに続いたのはここ数戦でメキメキ成長し、落ち着いた走りを見せるようになった#703花里祐弥選手(ブリヂストン)と、チーム全体が好調な#760岩本佳之選手(ブリヂストン)。予選2組の#70庄司雄磨選手(DL)がトップタイムを塗り替える2分6秒892を記録、2番手には#25水谷大介選手(ブリヂストン)、3番手には#84橋本洋平選手(ブリヂストン)が入った。
 
 予選3組は路面コンディションが悪化したことでタイムが伸び悩み、トップの#813松原怜史選手(ブリヂストン)は2分7秒403に留まった。この結果、ブリヂストン装着勢は3番グリッドから松原怜史選手、4番グリッドから水谷大介選手、5番グリッドに花里祐弥選手、手(ブリヂストン)、6番グリッドに#511上松淳一選手(ブリヂストン)、7番手に橋本洋平選手(ブリヂストン)など、トップ10のうち8台を占めた。

●決勝レース
 決勝Aレースは、真夏を感じさせる強い日差しのなかで開催された。気温は31.9度、路面温度は62.4度という高温下でのレースは、マシンにも、ドライバーにも厳しい環境だった。
 
 スタート直後にトップを譲ったものの、すぐに取り返すことに成功した庄司雄磨選手は、着実にリードを広げていく。水谷大介選手は2周目に2位に上がり、2秒以上に広がったギャップを少しずつ挽回していく。3位には橋本洋平選手、4位に松原怜史選手がピタリと着け、トップを追う展開。
 
 厳しい環境もあるのか、その庄司雄磨選手のペースは安定していなかったが、追いかける水谷大介選手も徐々にペースを失っていく。後続の2台との2位争いが熾烈になっていく。
 
 そして最終ラップ直前の最終コーナー、立ち上がりで橋本洋平選手が並びかけると、最終ラップの1コーナーで水谷大介選手をオーバーテイク、2位に立った。結局レースは庄司雄磨選手のポール・トゥ・ウインとなったものの、2位橋本洋平選手、3位水谷大介選手となり、トップ10のうち7台がブリヂストン装着勢となった。

●コメント
クラブマンシリーズ決勝Aレースで2位となり、今シーズン初の表彰台を獲得した#84橋本洋平選手(ブリヂストン)のコメント
「7番グリッドからのスタートだったんですが、暑い夏のレースということで、タイヤのマネージメントをしっかりとやったことで結果的に最後までタイヤのパフォーマンスを維持することができて、2位表彰台を獲得することができました」

「4周目に3位に上がったんですが、2位の水谷大介選手(ブリヂストン)のタイヤが辛そうで、意外に近づくことができたんです。それで最終コーナーの立ち上がりで横に並ぶことができて、2位に上がることができました。この2位をきっかけに、シーズン後半戦で良い結果を残したいですね」