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メルセデスF1、フェラーリのパワー向上に困惑。「ストレートで0.5秒速い」とウォルフ

2018年07月25日 07:51  AUTOSPORT web

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メルセデスはフェラーリのパワー向上に困惑しているという
メルセデスF1チームのトップであるトト・ウォルフは、フェラーリのマシンはホッケンハイムのストレートでメルセデスよりもコンマ5秒も速かったとして、当惑を示したものの、自分たちのマシンの向上に集中していかなければならないと語った。

 バルテリ・ボッタスはメルセデスの母国GPでポールポジションを獲得すべく予選で全力を尽くしたが、セバスチャン・ベッテルに次ぐ2番手のタイムに終わった。

 確かにフェラーリは最近、ハイブリッドエンジンからより多くのパワーを引き出すことに成功している。今シーズン初め、フェラーリがバッテリーとERSの使用について違反を犯しているのではないかという疑念が持ち上がった。規則ではパワーユニットのMGU-Kが生み出せるパワーは120kWに制限されているが、フェラーリのエナジーストアはツインバッテリー構造を使用しており、これによって、FIAの標準センサーに検知されることなく、許可されている以上のパワーを得ているとの推測だった。ただしFIAは違反の証拠は見つかっていないことを明らかにしている。

 ウォルフは、メルセデスはライバルのゲインよりも自分たちのパワーユニット改善に注力していると主張する。しかしフェラーリには明らかなアドバンテージがあり、これがメルセデスを困惑させているという。

「彼らは素晴らしいパワーユニットと、多大なパフォーマンスを手にしている」とウォルフは困惑した様子で認めた。

「我々はどういったタイプのコーナーでも好調に走れるが、彼らのストレートでのパフォーマンスに拮抗することができていない」

 ドイツGPの予選でハイドロリック系のトラブルに見舞われQ1止まりとなったルイス・ハミルトンは、ストレートでの差は0.3秒ほどだと考えている。しかしウォルフは、差はそれ以上だと話す。

「実際はコンマ5秒ほどだ。もちろん予想はしていなかったが、F1ではどんなことについても準備をしておくことが必要だ。そして、アウトプットをどれだけ向上させられるかを探り出さなければならない」

「フェラーリのことを眺めている時間は1秒たりともない。我々は自分たち、メルセデスに目を向け、どうなっているのか、何か見逃していることがないかどうかを確認したい」

「どうすればパワーのアウトプットを向上させられるだろうか? ICEか電気系統のシステムか。バッテリーからか、MGU-Hからなのか。見られるところはすべて見る。なぜなら我々は、このチャンピオンシップで勝つなり、追いかけ続けるうえでの深刻な警告を受け取ったからだ」

 フェラーリがパワー面で突如、大幅な進歩を成し遂げたことに疑いを持つことよりも、メルセデスは何よりもまず自分たちのことに集中すべきだという考えを、ウォルフは繰り返し述べた。

「『あのパワーアウトプットを達成するために、我々に何ができるだろうか』と言える考え方が必要であり、重要であると思っている。見るなり違法だと口にするよりもだ」

「我々は自分たちに目を向けるべき状況にある。どうやったら達成できるのか。できないとしたら、他はどうやっているのだろうか、とね」