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EXILE AKIRA×NESMITH×世界が語る、“新章”のビジョン「新しいEXILEはクリエイティブ集団」

2018年07月24日 17:12  リアルサウンド

リアルサウンド

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 5月24日、千葉・幕張メッセにて行われたEXILE THE SECONDの全国ツアー『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2017-2018 “ROUTE 6・6”』のファイナル公演は、新たな伝説の幕開けとなった。ファンからの熱いアンコールに応えて登場したのは、およそ2年半ぶりに帰ってきたEXILEの面々。EXILE THE SECOND、三代目J Soul Brothers、GENERATIONS、FANTASTICS……それぞれのポジションで実力を磨いてきた15人が結集した姿は、まさに“オールスター”と呼ぶにふさわしい輝きを放ち、ファンたちは祝福と歓喜に照らされた。


参考:EXILE、今夜放送『Mステ』で“新章”開幕へ EXILE TRIBEで紡いだ再始動への物語


 そして、明日7月25日にはいよいよ約3年ぶりとなる待望のフルアルバム『STAR OF WISH』がリリースされる。EXILE再始動までにはどんなドラマがあり、メンバーたちは何を考え、グループとしてどんな進化を遂げたのか。今やEXILE TRIBEの精神的支柱となったEXILE AKIRA、ボーカリストとしてさらなる飛躍を遂げたEXILE NESMITH、FANTASTICSのリーダーとしても活躍する若きパフォーマーの世界が、言葉を尽くし、EXILE新章のビジョンを示した。【記事最後にサイン入りチェキプレゼントあり】(編集部)


■NESMITH「背中にビリビリと電気が走りました」


――『AMAZING WORLD』ツアーのファイナルから約2年半、EXILEがいよいよ本格的に活動を再開しました。どんな気持ちですか?


AKIRA:ようやくここまで辿り着いたという感じです。もちろん、この2年半は、経ってみたらあっという間だったんですけど、ここにくるまでのあいだには、やっぱりいろんな葛藤があって。それぞれが、いろんな不安やプレッシャーを感じながら歩んできた2年半でした。だから、今年5月にEXILE THE SECONDの『ROUTE 6・6』ツアーファイナルのライブで、EXILEが改めてステージ上で復活を遂げたときは、もちろん安堵感もありましたが、それと同時により使命感や責任感が増した瞬間でもありました。前向きに、これからの“NEW EXILE”をどう打ち出していこうかとの気持ちで、今はいっぱいです。


世界:メンバーそれぞれが2018年の活動再開を目標にして、個人の活動に打ち込んできた期間でした。僕と(佐藤)大樹は、2016年末にFANTASTICSというグループを結成させていただいて、リーダーとしての当事者意識や責任感を抱いたことで、改めて“EXILEの一員である自分”を見つめ直すことができました。SECONDさんのファイナルで、初めて15人でライブパフォーマンスをさせていただいたときは、EXILEというグループのパワーを実感しました。ステージから客席を見たら、感動して泣いていらっしゃるお客さんがたくさんいたんです。そのグループの一員であるということの覚悟と責任を、改めて今感じているところです。


NESMITH:EXILEの活動が一度ストップすることになったとき、不安になったり、ネガティブに感じたファンの方も、きっとたくさんいたと思います。ただ、僕たちとしては、ATSUSHIさんの思いーー今ここでもう一度、もう一皮、二皮むけるためのチャレンジをしたいとの思いを尊重したいと思っていました。僕らもその後、SECONDとして本格始動をして、ツアーもやらせていただいたりしましたが、そのコアには常に“EXILE”への意識があったんです。2018年になって、全員がそろったときに、みんながそれぞれ磨かれて帰ってきた実感があったし、すごいエネルギーを持った15人だと深く思いました。それはMATSUさん(松本利夫)、ÜSAさん、MAKIDAIさん、そしてHIROさんから受け継がれてきたスピリットの力でもあります。19人のEXILEのエネルギーが、そこには溜まりに溜まっていました。初めて15人がそろってパフォーマンスをしたときは、背中にビリビリと電気が走る感覚がありました。「Rising Sun」のイントロが流れた瞬間のみなさんの歓声を聞いて、この日のここにくるために、SECONDを動かしてきたんだと、僕らは言葉にせずともすべてわかり合うことができました。自分たちで言うのも何ですけど、今のEXILEは本当にモンスターグループなんだと、内側からも強く感じているところです。


――この2年半はEXILE TRIBEの各グループすべてが、激動の中にありました。


AKIRA:今だから言えることも実はいっぱいあります。MATSUさん、ÜSAさん、MAKIDAIさんのご三方が勇退された2015年の『AMAZING WORLD』ツアーの打ち上げで、HIROさんに「次のEXILEを引っ張っていくのは、お前だからな」と言われたんですよね。その後さらに、「お前、気合い入れなきゃダメだよ」とのひと言もいただきました。EXILEを“引っ張る”というとおこがましいですけど、自分なりにどんなふうに新しいEXILEを築き上げていくべきかは、すごく考えるようになりましたね。俳優としての活動では、夢だったハリウッドに挑戦することもできて、個人としても充実した日々を送らせていただきましたが、なぜそうした活動ができたのかを考えると、EXILEの一員だったからなんです。そのため、自分は新しいEXILEを築き上げることを最優先に考えるべきだとの思いに着地しました。メンバーそれぞれの挑戦は、今一度、エンターテインメントの原点に返るべく、その基礎作りに取り組むためにあったのだと思います。2016年にSECONDに加入したのも、同世代のメンバーと力を合わせてやっていくことが、次のEXILEに繋がっていくとの直感があったからで、それは間違いではなかったと感じています。


■世界「FANTASTICSのメンバーの思いを背負って」


――SECOND自体も、この2年半で大きく飛躍した印象です。


AKIRA:もちろん、前提としてSECONDのみんなとエンターテインメントを作りたいとの思いはありました。しかし、いちばん大事なのは、2018年になったときに、SECONDのメンバーと一緒に、EXILEの精神的中枢となること。それが自分の使命だと思ったんです。世界、ガンちゃん(岩田剛典)、(関口)メンディー、(白濱)亜嵐、(佐藤)大樹などの若手にも、僕がSECONDに加入するときには、直接そういう思いを伝えさせてもらいました。新しいSECONDを0から1にする作業はすごく大変でしたけど、あのファイナルの瞬間、SECONDはホントに素敵だなと思えたし、みんなが“FOR EXILE”の精神でいたからこそ、自分もここまでこれたし、今回EXILEを改めてスタートさせることができたと思うんですよね。だから僕は特に、SECONDのメンバーにはすごく感謝しています。


――先日、SHOKICHIさんの取材をする機会があったのですが、SECONDの活動はもちろん、ソロも含めて、そのあいだに自分がどれだけ成長できるかが、今後のEXILEの鍵だと言っていたのが印象的でした。みなさんがそれぞれ、“FOR EXILE”を胸に抱いて活動されていたんですね。


NESMITH:2016年に「THE SECOND from EXILE」から「EXILE THE SECOND」に改名して、AKIRAさんに加入していただいて6人になって、そのときに初めて僕の中でEXILEとの繋がりが明確になったんですね。全員がEXILEのメンバーであるSECONDというグループが、どれだけ大きく太く成長していくかで、今後のEXILEが左右されるとの気持ちで自分たちもやっていて。AKIRAさんも言っていたとおり、0から1を作るために、いろいろ試行錯誤しました。楽曲であったり、スタイルであったり、ライブの作り方だったり……それこそ、海外の女性ダンサーに協力していただいて、LDHではなかなか見せたことのない大人の色気を感じさせるパフォーマンスにチャレンジしたり、僕がギターを弾いたり、SHOKICHIがピアノやドラムやラップを披露したりもしました。いろいろトライできたことで、自分たちのなかでもSECONDのグループ像がどんどん明確になっていったし、自分たちの武器も、どんどん増えていったんですよね。だからこそ、そこで得たものをEXILEに還元できる。この2年半は、そういう意味でも絶対的に必要な時間だったと思うんですよね。


――若手メンバーである世界さんは、どんなことを考えていましたか?


世界:メンバーの中では、僕と大樹が一番EXILEを客観的に見ていたと思うんです。SECONDさんはもちろん、三代目 J Soul Brothersさん、TAKAHIROさんのソロイベントやATSUSHIさんのライブ、GENERATIONSのライブもそうだし、僕らはその全部を観ることができたので。先輩方がそうやって、それぞれのフィールドで、それぞれのパワーを100パーセント発揮しているのを全部真正面から受けとめました。その一方で、僕と大樹は、FANTASTICSとして全国を回る『夢者修行』78公演をやりながら、いちから修行し直して、パフォーマンスのクオリティを上げていくことに専念できました。だから、EXILEのステージに立つときも、FANTASTICSのメンバーの思いを背負って立っているとの意識がありました。


■AKIRA「クリエイティブ集団としての色が濃くなってきている」


――実に3年ぶりとなるニューアルバム『STAR OF WISH』が、いよいよリリースされます。


AKIRA:今回は「EXILE FRIDAY」と題して、新曲を6カ月連続で配信する試みをさせていただいたのですが、これも僕らとしては初めてだったし、新曲を6曲連続で配信するのは、カロリー的にもなかなか大変なことです。ただ、この2年半の間に、自分たちがいろいろと蓄積してきたからこそできることでもあって。そういう意味では、新曲が、まずは今の“NEW EXILE”を表現できているのではないかと思います。


――今回のアルバムの収録曲は、すべての曲に映像作品がついています。その意味でも、かなり練り込まれた一枚だと感じました。


AKIRA:メンバーそれぞれが映像をプロデュースしたことも、今のEXILEを象徴しています。今のEXILEは全員が全員クリエイティブ気質なんです。世界や大樹みたいに若手のリーダーもいますし、プロデューサーをやっていたり、カメラをやっていたり、それこそアパレルをやっていたりするメンバーもいる。だからEXILEのリリックビデオやミュージックビデオを作ろうとしたらは、自分たちの手で作り上げることができる。“メンバー発信”というニュアンスがより強くなっていて、クリエイティブ集団としての色が濃くなってきているというか。それがひとつ、今のEXILEの強みなのかなと思うんですよね。


――このアルバムのリリース後、秋からは待望のドームツアーが始まります。どんなライブになっていきそうですか?


NESMITH:自分たちでも、すごくワクワクしているところがあって。この15人で回るのも初めてですし、今までパフォーマンスしていた楽曲も15人バージョンに構成を変えたり、立ち位置が変わったりするんです。あと、今回のアルバムには、ATSUSHIさん、TAKAHIROさんに、僕とSHOKICHIを加えた4人で歌っている曲も収録されているので、これまで以上に自分たちで作っていくEXILE、新しいEXILEを表現する場になっていくと思います。


世界:今回のツアーは、きっとメンバー同士の化学反応が、すさまじく起きるツアーになると思います。一人ひとりの熱量が半端じゃなく高いので。そう、EXILEにいると、圧倒的な無敵感が湧き出てくるんですよね。それは、一人ひとりが持つポテンシャルの高さ、もちろんテクニックやスキルもそうなんですけど、やっぱりEXILEは、マンパワーがすごく強いグループなんですよね。それは一緒にパフォーマンスさせていただいて、ものすごく感じることです。そういう意味でも、今からすごくワクワクしています。


AKIRA:今、世界が言っていたように、EXILEとしてパフォーマンスすることの喜びは大いにあります。僕たちはEXILEでありながら、EXILEの一番のファンみたいなところがあるんです(笑)。2年半前は、オリジナルメンバーが抜けたことによる不安が、どこかあったと思うんですよね。でも今のEXILEは、一人ひとりがみんな自信を持っていますし、今のEXILEに誇りを持っていて、そのEXILE魂がスパークするライブツアーになると思っています。あと、昨日ちょうどATSUSHIくんがグループLINEにメッセージをくれたんですけど、ATSUSHIくんは、今回の『STAR OF WISH』の裏テーマとして“ロマン”という言葉を掲げていて。その“ロマン”っていうのは、僕らの理想だったり空想だったり感情だったり、いろんなことを表しているんです。星には手が届かないし、宇宙はどこまでも広がっているけれど、だからこそ僕たちの空想も無限の可能性を秘めている。そういう空想の世界をお届けするエンタテインメントのライブをやっていきたいし、逆に自分たち自身も、そういうところに手を伸ばしながら、自分たちの夢や目標に向かって進んでいるんですよね。今の自分たちはEXILEなんですけど、EXILEでありながら、誰よりもEXILEになりたいと思っているメンバーでもあって、その気持ちに終わりはない。熱い想いが詰まったライブになっていくと思うし、ものすごく素敵なエンタテインメントショーを届けられるはずです。(取材・文=麦倉正樹/撮影=林直幸)