鈴鹿8時間耐久ロードレースに挑むスーパーバイク世界選手権(SBK)3連覇中の王者ジョナサン・レイ。2018年のカワサキ・チームグリーンは「勝てるポテンシャルがある」と優勝に向け自信を覗かせている。
TSRホンダから出場した2014年以来、4年ぶりに鈴鹿8耐に帰ってきたレイ。7月10日~7月12日に行われた公開合同テストに参加し、チームメイトの渡辺一馬、レオン・ハスラムとマシンセッティングの合わせ込みを行った。
4年ぶりに鈴鹿サーキットに戻ってきたレイは、鈴鹿8耐について「素晴らしいレースだよ。毎年、レース開始1時間後には“なんで今年も来てしまったんだろう”と思うくらい難しいレースだけど、このレースで勝つことは、ほかのどのSBKレースで勝っても味わえない気持ちになるんだ」と語る。
SBKで使用するタイヤはピレリに対し、鈴鹿8耐ではブリヂストンのタイヤを使用する。また、耐久仕様のカワサキZX-10RRはSBK仕様のマシンよりも重量が重い。マシンの乗り換えについてはどうだろうか。
「特に苦労はしていないよ。長い間、耐久仕様のマシンには乗ってこなかったし、鈴鹿を走ったのは4年前が最後だからね。一から学び直していく感じだよ」
「たしかに以前に使っていたタイヤとは感触が違うけど、その感触を掴んで、マシンをアジャストし、パッケージとしての精度を高めていけば問題ないと思う」
カワサキは、1993年に伊藤ハムレーシング・カワサキのスコット・ラッセル/アーロン・スライト組が優勝して以降、鈴鹿8耐の勝利から遠ざかっている。カワサキ25年ぶりの優勝に向け、レイは次のように語る。
「ベストをつくすことだね。長いレースだから、ペナルティやミス、クラッシュなど、なにが起きても不思議じゃない。だからクリーンでクレバーなレースをすることが重要なんだ」
「カワサキが最後に勝ったのは25年前で勝ち目がないと思われているかもしれない。ただ、その分プレッシャーは少ないし、楽しみながら戦える。レオンと一馬とともにマシンセットアップを煮詰めていっているし、これまでの成果には満足しているよ」
公開合同テスト最終日、レイは本番に向けロングランを実施。そのなかで2分6秒台までタイムを削り、チームを驚かせていた。
「メカニックやチームメイトなど、本当に多くのスタッフがひとつの目標を目指して戦っている。そんな彼らと勝利を分かち合えるのは格別なんだ。今年はまったく新しい挑戦になるよ」
「いいタイミングでカワサキに加わったとも思っているよ。レオンは強いし、一馬も速いライダーだ。強力なチームだし、勝てるポテンシャルがあると思う」
SBK王者を擁するカワサキ・チームグリーンは、25年ぶりの優勝をカワサキにもたらすことができるか。ヤマハの4連覇を阻止するのはカワサキかもしれない。