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有岡大貴に芽生えた“仲間”としての意識 『コード・ブルー -もう一つの日常-』が描くフェローの成長

2018年07月24日 12:51  リアルサウンド

リアルサウンド

 「誰よりもわかっているのはお前だろ」。7月23日より5夜連続での放送がスタートしたスピンオフドラマ『コード・ブルー -もう一つの日常-』(フジテレビ)。2017年7月クールドラマで放送されていた『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』(フジテレビ系、以下3rd Season)から登場を果たしているフライトドクター候補生の名取颯馬(有岡大貴)、灰谷俊平(成田凌)、横峯あかり(新木優子)、フライトナースの雪村双葉(馬場ふみか)を軸に、彼らの救命救急の日常が描かれる。


 名取は、3rd Season第1話での初登場時、仕事中にも関わらず携帯をいじってばかりの“生意気なフェロードクター”としての印象が強かった。同期である灰谷、横峯と比べて優秀だが、あまり医療にかける情熱が感じられず、鼻につく態度をとる。『コード・ブルー -もう一つの日常-』第1回でも、冒頭は名取のスマホシーンから幕を開けた。


 「30年後、医者の仕事の半分以上は人工知能に置き換わるんだってさ」。名取がスマホで調べた情報を伝えると、「私は大丈夫か」と微笑む横峯に、名取は「いや、お前よりはずっと役に立ちそうだよ」と淡白な言葉を放つ。相変わらずの嫌味っぷりだ。


 名取は、灰谷が患者であるコウタの父親からスマホの画面を突きつけられ、「間違っています」と抗議を受けている場面に遭遇する。息子の治療に関して、手術ではなく保存的治療が正しいと、ネットで調べた情報を突きつけられた灰谷は、不安げな顔をして「検討してみます」と返答。一度カンファレンスでも決定したコウタの治療法について、灰谷は改めて調べ直そうとしていた。


 患者がショック状態に陥り、「すぐに手術しよう」という名取に対して、灰谷は患者の父親から言われた保存的治療の道を探ろうとする。だが、名取から「誰が書いたかわからないネットの情報なんてほっとけ。コウタ君の体を誰よりもわかっているのはお前だろ」と言われた灰谷は、手術をしようと決意する。


 患者の両親が駆け付け、腎臓を切除したことを伝えると、「大人になってから問題が出てくるとか」と問われた灰谷は「ないとは言い切れません」とひと言。「やっぱりネットの情報が正しかった」と嘆く父親に、名取は「今回、コウタ君を救ったのはそのスマホじゃない、この灰谷先生です」と言い放つ。


 その様子をみていた橘啓輔(椎名桔平)は、不安になる親の気持ちを知らない名取に「お前が親を責めるべきじゃない」と告げるが、「同僚のために熱くなることは悪くない」と伝える。橘は、「いやー変わったよ、本当に。緋山に影響されすぎたんじゃないか」と名取を見て微笑んでいた。


 救命に来た頃は、冷徹な言動を繰り返していた名取。彼が緋山(戸田恵梨香)から受けた影響は、3rd Seasonの第6話と第8話のエピソードで印象強く描かれていた。第6話では「俺は緋山先生が羨ましいです。患者やその家族に寄り添えるのが羨ましい」と本音を明かし、緋山の側にいたことで、心の中に変化が生じていった。


参考:戸田恵梨香の“情熱”が、有岡大貴の成長へと繋がるーー『コード・ブルー』第6話で描かれた“落胆の向こう側”


 「30年後、医者の仕事の半分以上は人工知能に置き換わる」と冒頭で横峯に伝えたことを、名取が同じように灰谷に伝えると、横峯とは打って変わって、灰谷は心配そうな表情を見せる。「だから、信じてんじゃねぇよネットなんて」。名取にとって、救命チームへの仲間意識が芽生えている様子が伺えた。


(大和田茉椰)