アドビシステムズは7月20日、日本に所在する企業の人事担当者を対象とした「新卒採用で企業が重視するスキルについて」の調査結果を発表。新卒の採用現場において、創造性に富んだ方法で問題や課題に取り組むスキル、"創造的問題解決能力"をどの程度重視しているのかを検証した。
同調査は、創造的問題解決能力を「課題発見能力」「課題解決方法の発想力/着想力」「情報分析能力」「デジタルリテラシー(ITツールを使いこなせる能力)」「クリエイティビティ/創造性」「プレゼンテーションスキル」の6つのスキルから構成されると定義している。(文:宮西瀬名)
人気企業の中にはイラスト作成や動画編集スキルを求めるところも
同調査では「人気企業」と「それ以外の企業」に分けて、創造的問題解決能力を構成する6つのスキルをどの程度重視するのかを調査。その結果、「デジタルリテラシー」を重視する人気企業は82%だったのに対し、それ以外の企業では66%と開きがあった。
他にも、「プレゼンテーションスキル」は人気企業が88%、それ以外の企業が74%。「クリエイティビティ/創造性」は人気企業が91%、それ以外の企業が79%と人気企業ほど創造的問題解決能力を重視していることがわかった。
さらに、「会社で必要とされるデジタルリテラシー」に関する調査結果では、「ソフトウェアを使って簡単なイラスト作成や加工ができること」を求める人気企業は28%、それ以外の企業は16%。「ソフトウェアを使って簡単な写真加工ができる」が人気企業は26%、それ以外の企業は14%。「ソフトウェアを使って簡単な動画編集ができること」が人気企業は23%、それ以外の企業は6%と、人気企業はソフトウェアのスキルも重視しているようだ。
今後は面接で人柄のよさをアピールすれば内定、ということはなくなる?
「人気企業だから就活生のハードルを高く設定できるだけ?」といった因果関係はわからないが、人気企業で働きたいと考えている就活生は、ITスキルを始め様々なスキルを身に着けておく必要がありそうだ。
ただ、経団連が昨年発表した「2017 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」によれば、「選考にあたって特に重視した点」は15年連続で「コミュニケーション能力」が1位に選出された。
コミュニケーション能力は普段仕事をする上で重要なスキルであることは間違いない。だが、今後はコミュ力だけでなく答えのない問題に挑む力がなければ、ビジネスで生き残ることは難しい時代に益々なってくるだろう。従来のように、面接で人当りの良さだけをアピールすれば採用される時代ではなくなるかもしれない。