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警察を呼ばずに「交通事故」を処理、あの日への後悔…軽微な事故でも「示談書」は必須

2018年07月23日 10:42  弁護士ドットコム

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修理費用を全額支払ったのに、「示談書」を相手が書いてくれないーー。そんな相談が、弁護士ドットコムの法律Q&Aに寄せられた。相談者によれば、「私の自転車と相手の車で接触事故」があったものの「本当に軽微な事故だったので、警察は呼んでいません」。その判断ミスがトラブルの始まりだった。


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相談者は、自身の無理な運転が原因だったとして、「こちらが全額、車の修理費を払う約束をしました」。相手から送られてきた修理見積書の金額を振り込む際に、「保険を使って支払うので、必要書類を送って」と依頼すると、車検証のコピーなどはすぐに送られて来た。


ところが振り込み後、いくら連絡しても示談書が届かないのだという。相手は「いま出張中」「今日発送します」と言い訳をしたり、メールや電話で居留守を使ったりして、逃げ続けている。保険の支払いに必要な示談書を提出できないため、保険もおりていない。


このようなケースでは、相手から追加請求がくるなどの事態も想定されるのだろうか。「軽微な事故」であっても警察への通報、示談書は必ず交わすべきなのだろうか。交通事故に詳しい五十嵐亮弁護士に話を聞いた。


●警察に通報→示談書を

「『軽微な事故』と思っても、自分の判断で解決しようとせず、警察や保険会社にきちんと連絡することが必要です。『あとでよく見たら違うところにも傷があった』とか、『帰宅したら首が痛くなった』として請求されることはよくある話です。


そのようなことでトラブルにならないように示談書が必要となります。相談者の方も、最初に示談書を作成すれば、今のようなトラブルには発展しなかったはずです」


では本来、どのように対応すれば良かったのか。


「事故を起こしてすぐにやるべきなのは、(1)警察に通報 (2)交通事故証明書の発行 (3)車両の傷の写真撮影、の3点です。


最初にするべきこととして、(1)警察への通報はすぐにわかることと思います。警察官を呼ぶことで、交通事故の日時、場所、当事者名等を証明する(2)の交通事故証明書を作成してもらうことができます。


保険会社から保険金を支払ってもらったり、保険会社の示談代行サービスを利用したりする場合には、交通事故証明書が必要となりますが、警察に交通事故があったことを通報しないと発行されません。


次に、修理代金についても適正な金額か否かを確認するために、(3)車両の傷の写真を撮影してください」


●「清算条項」は必須

その後の手続きは、どう進めることになるのか。


「写真と見積もりを照らし合わせ、事故と関係ない箇所の修理代金まで含まれていないかどうか確認し、支払うべき修理代金を確認します。そして、最終的に確認された損害額(修理代金)および清算条項(『示談書に定めるほか互いに何も請求しない』ことを確認する条項)などを盛り込んだ示談書を2通作成し、それぞれ互いに署名・押印し、1通ずつ持ち合います。


清算条項を定めることで、示談成立後に追加請求をすることができなくなりますので、無用のトラブルを防ぐことができます」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
五十嵐 亮(いからし・りょう)弁護士
同志社大学法科大学院を修了後、2009年に弁護士登録。新潟県内に5か所と長野・東京に拠点を有する一新総合法律事務所に所属し、企業向けの労務問題や、交通事故をはじめとした事故賠償案件に注力している。
事務所名:弁護士法人一新総合法律事務所 長岡事務所
事務所URL:http://www.n-daiichi-law.gr.jp/