僕は今、34歳。近所の子や親戚が産んだ子供から「おにいちゃん」と呼ばれる頻度はめっきり減って、最近では「おじちゃん」と呼ばれてばかりいる。34歳なんて僕が小学生の頃には、もう立派なおっさんに見えていた。でも、いざこの歳になってみると、まだまだ精神的には子供のままだと感じる。
到底結婚もしたくなければ子を育てる気にもなれないし、相変わらず自分勝手に生きているが、そうは言っても身体は加齢に素直なもので、代謝は確実に落ちてきたし、酒量も調節しないと、翌朝に二日酔いになることも増えてきた。(文:松本ミゾレ)
「歯と歯の間にめちゃくちゃものが詰まる」
先日、はてな匿名ダイアリーに「三十代半ばになって感じる身体の変化」という投稿があった。本文には短く「歯と歯の間にめちゃくちゃものが詰まる」だけ。非常にシンプルだが、僕などは「ああ~そう言えばそうだわ」と漏らしてしまった。
若い頃は歯茎がしっかりしていたせいか、歯間ブラシやデンタルフロスなんて通らなかったけど、最近では易々と使えるようになっている。食べカスだってそりゃ詰まるという話で、最近では歯磨きの後、フロスを使って掃除をするのが日課になっている。まあ、あれはあれでやれば口内が綺麗になるので好きな作業だけど。
思い返すと僕が子供の頃、食堂なんかに連れて行ってもらうと、大人が食後に爪楊枝を使う理由がよく分からなかった。食べカスが歯に詰まること実感を伴って理解していないので、今にして思えば分からなくて当然。でも、何となく「大人になると爪楊枝を食後に使うのか」とは思っていた。
そんな自分が今まさに、毎回ではないけれども食後に爪楊枝でツマツマやってんだから、本当に人間は、平等に死に向かっているんだなぁと感じられる。
「筋トレすると足がつる」「肩がガチガチに凝ってくる」
ところで、この投稿を目にした30代以上のネットユーザーは、他にも実感する様々な身体の変化についてコメントしている。こちらもいくつか紹介させていただきたい。
「昨日一緒に飲んでた人が思い出せない」
「健康ネタとか自分の体調の変化に敏感になる」
「ちょっと筋トレみたいなのをすると足や腹筋背筋をつったりする。ピント調整に時間がかかるようになる」
「肩がガチガチに凝ってくる」
「脂っこいもの見ただけで気持ち悪くなる」
なんか読んでいるこっちまで気が滅入りそうな意見が非常に多い。しかもどれも「ああ~分かるわ~」と思えてしまう。人生100年とか言ってるけど、30代半ばですらこんな状況だ。先が思いやられる。
これ以外にも、物を覚えられない、字を忘れるといった状況を挙げる意見もあったが、大いに賛同できる。最近では配達された荷物の伝票にサインするとき、自分の名前が一瞬分からなくなるという事態にも見舞われた。
もう歯茎から脳から、次々に劣化していくのが30代なのかもしれない。恐ろしい。