東京五輪・パラリンピック開催中の混雑を緩和するため、政府は首都圏の企業に五輪期間中に夏季休暇を設けるよう求めることを決めたという。7月12日、毎日新聞が報じた。
実現すれば、通常はお盆休みと重なることが多い夏季休暇が、五輪開催中の7月下旬から8月上旬に移動することになる。そのためネットでは、"お盆休みという伝統を蔑ろにするのか"と呆れる人が続出している。
「五輪期間中もお盆も両方休む、でいいじゃないか」
お盆は、祖先の霊が家族の元へ帰ってきて一緒に過ごす期間とされている。毎年8月15日前後のお盆休みには実家に帰ったり、親戚で集まったりするという人も多いのではないだろうか。
そのため実質的にお盆休みをなくしてしまうような要請に対しては「お盆を何だと思ってるんですか」「こういう時だけ伝統を無視してぶち壊そうとするのか」という怒りの声が相次いだ。
お盆休みはそのままにして、五輪開催中を追加の休みにしてほしいという意見も多かった。「五輪期間中もお盆も両方休む、でいいじゃないか」というのだ。
それは移動となった祝日についてもいえる。東京五輪では開会式・閉会式に合わせて、多くの要人が来日・帰国するため、混雑を解消し、警備に支障が出ないようにする必要がある。
そのため「海の日」を開会式前日の7月23日に、「体育の日」を開会式の7月24日に、「山の日」を閉会式翌日の8月10日へ移すことが決まっている。7月23~26日が4連休になり、さらに8月8~10日が3連休になる一方、10月の祝日がなくなってしまう形だ。
こうした休みの移動に対しては、「どうして新設じゃなくて移動なのか」と嘆く声が多かった。祝日を臨時で増やせば、移動に伴う混乱も避けることができる。
ネット通販を控える要請にも反発相次ぐ 「オリンピックこそ控えて」
東京都オリンピック・パラリンピック準備局は、大会期間中のネット通販の利用を控えるよう呼びかけてもいる。弁護士ドットコムニュースによると、同局施設部の松本祐一輸送課長は「個人の消費者行動なので、『クリックしないでください』とは言えないのですが、たとえば大会期間の前に必要なものを納めていただき、不要不急のものは大会後に注文していただくなど、みなさまにご協力いただければと思います」と話していたという。
この要請にも反発が相次ぎ、「オリンピックこそ控えて」「じゃあオリンピック中止でいいです」と五輪中止を求める人も少なくなかった。五輪を望んでいない人からすれば、祝日が移動になったり、街が混んだり、生活を制限されたりと迷惑を被ることばかりで、うんざりしている人も多いようだ。