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WEC:LMP1の性能調整最新版が発表。ハイブリッドとノンハイブリッドの性能差が“0%”に

2018年07月19日 20:01  AUTOSPORT web

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WEC“スーパーシーズン”で適用されているEoTの最新版が発表。ハイブリッドとノンハイブリッド勢のパフォーマンス差が0%とされた
WEC世界耐久選手権を運営するACOフランス西部自動車クラブとFIAは2018/19年のWEC“スーパーシーズン”を戦うLMP1クラスに課している性能調整“EoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)”を改定。ハイブリッドマシンとノンハイブリッドマシンのパフォーマンスギャップを0.25%から0%にするなど、ノンハイブリッド勢の性能を向上させる措置が取られた。

 WEC“スーパーシーズン”ではハイブリッドを搭載するワークスチームのTOYOTA GAZOO Racingと、ハイブリッドシステムを搭載しないプライベーターのノンハイブリッド勢が同じLMP1クラスで争う構図となっており、そのパフォーマンス差を埋めるためにEoTが設定されている。

 これまでのEoTは開幕前テストの“プロローグ”や第1戦スパ・フランコルシャン、ル・マンテストデーなどの走行データを基に設定されてきたが、この最新版は6月に行われたル・マン24時間のデータも含んで設定されている。

 ACOでテクニカルデリゲートを務めるティエリー・ブーベは「ル・マンテストデーと予選のタイムを比較するとLMP2クラスでは2.4秒のタイム向上がみられた。それに対しLMP1のノンハイブリッド勢はたった0.2秒だった」と述べている。

「もちろんコースコンディションや信頼性を優先したいというチームの思惑など、さまざまな要素が絡んでのことだと分かっている。最終的には、さまざまな要素を鑑みてEoTの数値を決定した」

 今回発表されたEoTでは、ル・マン1周につきハイブリッドとノンハイブリッド勢のタイム差を0.5秒とするとされていたパフォーマンスギャップが0%とされて事実上撤廃。

 またハイブリッド勢の最大燃料流量が80kg/hに維持された一方、ノンハイブリッド勢の最大燃料流量は108kg/hから115kg/hへ引き上げ。そのほかノンハイブリッド勢は給油リストリクター径が拡大されたほか、自然吸気エンジン搭載車については最低重量を15kg引き下げる措置も取られた。

 このEoT最新版は8月17~19日に開催されるWEC第3戦シルバーストンで適用される。