2020年開催の東京オリンピックの競技スケジュールの大枠が7月18日に固まった。マラソンなど屋外種目の一部が「厳しい暑さ」を考慮し、招致時の計画より前倒しのスタートとなるという。これについてツイッター上では、
「1、2時間予定を前倒しにした所でなにも解決しないと思うんですが…」
「今、犬の散歩6時くらいから行ってもかなり暑いのに大丈夫なのかな? てか、夏に屋外スポーツってもう無理なのでは…」
など、前倒しは根本的な解決になっていないという声が多く寄せられている。そんな中、2015年4月に読売新聞に掲載された「暑さ対策」に関する記事がネット上で話題となっている。
「日程変えろよ、竹槍かよ」「そんなもので涼しいと何分感じられるの?」
記事によると、招致決定から2年後の2015年に初の有識者会議が開かれ、「道路のおもてなし」の具体策が検討された。その中で、道路を利用するマラソンなどの競技は熱中症予防策が重要となるとし、対策として「打ち水のほか、浴衣、よしず(編注:ヨシの茎で編んだすだれ)の活用など日本ならではの対策を盛り込み、観光PRにも生かしたい」という声が出たという。
何もしないよりかはましなのかも知れないが、ネット上では非難轟々。特に道に水を撒く「打ち水」は、比較的涼しい早朝か夕方に行うと効果的だが、日中に行うと逆に湿度を上げてしまうこともあり、ネット上では、
「打ち水って地面の温度が50度を超えるような現代日本においてはただ湿度を上げて不快指数を上げるだけだと思うの私だけ?」
「エアコンが無いから打ち水してたのであってエアコンのある現代に水をそんな事に使わないでくれ~」
などの声が上がった。他にも「オリンピックの暑さ対策で打ち水とか浴衣とか馬鹿すぎやろ 風流で涼しくなるなら世話ねぇわな」「そんなもので涼しいと何分感じられるの?」「日程変えろよ、竹槍かよ」と批判的な声が殺到した。
国交省「実際に散水や打ち水を行うかはこれから決めます」
記事で取り上げられた第1回有識者会議の議事概要を見ると、
「打ち水が一番効果的だと思うが、中途半端な打ち水はかえって蒸し暑くなるなど邪魔になることもあるのでやるなら徹底的にやってほしい。(略)観客席や屋根を造る配慮もほしい」
「(パラリンピックで)車いすとなるとミストや打ち水は滑ったり、ハンドリング部分が濡れると滑る危険性もあることを留意してほしい」
など、打ち水はあくまで候補の一つといった感じだ。同会議は2016年9月までに4回開催されている。議事概要を見ると、木陰やドライミストの活用が提案されている。また2016年8月には散水をした道路での現地試走会も行っている。舗装の種類によっては47~48度あった表面が散水後は40度近くまで下がることもあるようだ。
ただ、国土交通省担当者は「まだコースやスケジュールが決まって間もないので、実際に散水や打ち水を行うかはこれから決めます」と話していた。
第4回目の議事概要には「沿道の方々に打ち水をしてもらったり、プランターを並べてもらったりするなど、ムーブメントの展開について、今後、東京都関係者と相談したい」という発言記録も残っていた。五輪期間中は観客総出で水をまきまくることになるのだろうか。