モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第19戦ケンタッキー
マーティン・トゥルーエクス・Jr.がケンタッキーを2年連続で制し今季4勝目!
米国におけるトヨタ・カムリの生まれ故郷とも言えるケンタッキーで、NASCARのトップ3カテゴリーが3日連続開催。カップ・シリーズでは昨年のケンタッキー戦も制したマーティン・トゥルーエクス・Jr.がポールポジションから全ステージ制覇で2年連続勝利を達成しました。
エクスフィニティ・シリーズではクリストファー・ベルが後方スタートから追い上げ今季2勝目。トラック・シリーズでは上位争いを繰り広げた若手勢3台がトップ10フィニッシュを果たしました。
Monster Energy NASCAR CUP SERIES
第19戦 Quaker State 400
開催日:7月14日
マーティン・トゥルーエクス・Jr.がケンタッキーを2年連続で制し今季4勝目!
7月14日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイでモンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ第19戦「Quaker State 400」が開催されました。
ケンタッキーは米国におけるベストセラーカーである市販車のトヨタ・カムリが生産されている工場があり、トヨタ・カムリの生まれ故郷とも言うべき地です。
2000年オープンのケンタッキー・スピードウェイは、当初はエクスフィニティ・シリーズとトラック・シリーズのみが開催されてきましたが、2011年よりカップ・シリーズも行われるようになりました。
トヨタ勢はカップ・シリーズの初開催となった2011年にカイル・ブッシュが勝利を挙げ、以来7年間で4勝。昨年はマーティン・トゥルーエクス・Jr.が勝利を挙げています。
年間36戦で行われるカップ・シリーズもいよいよ後半戦に入りました。今季の前半戦は、カイル・ブッシュとケヴィン・ハーヴィック(フォード)がそれぞれ5勝、トゥルーエクス・Jr.が3勝で、この3人で18戦中13勝を挙げるという圧倒的な強さを見せています。
そんななかで、前戦デイトナで若手エリック・ジョーンズが初勝利を挙げたように、新たな勝者が生まれるのか、後半戦の戦いに注目が集まりました。
14日(土)午後7時47分、1.5マイルオーバルを80周、80周、107周の3ステージ合計267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。ポールポジションは今季4度目のトゥルーエクス・Jr.。そして、前戦初勝利を挙げ、今大会も練習走行から好調なエリック・ジョーンズが2番手グリッドにつけ、トヨタ・カムリが最前列に並んでスタートを切りました。
トップをキープしたトゥルーエクス・Jr.が後続をじりじりと引き離して行くのに対し、エリック・ジョーンズはハンドリングに苦しみ後退。ステージ1は、トゥルーエクス・Jr.が逃げ切ってトップチェッカー。5番手スタートからポジションを上げたカイル・ブッシュが3位、ダニエル・スアレツが7位となりました。
ステージ2は、スタート前のコーション時にピットインしなかった車両とタイヤを2本のみ交換した車両がいたため、4本交換したトゥルーエクス・Jr.は3番手からのスタートとなりましたが、98周目に首位奪還。カイル・ブッシュはトップ5圏内を伺う位置での走行を続けていましたが、109周目のコーション時、2本タイヤ交換でトゥルーエクス・Jr.に続く2位へとポジションアップ。
そのままトゥルーエクス・Jr.が首位、カイル・ブッシュが2位でステージ2を終えました。これでトゥルーエクス・Jr.は、今季5度目のステージウィンとなりました。
ステージ3は、スタート直後に3位走行中のカイル・ブッシュが他車と接触。大きなダメージには至らなかったものの、9位へとポジションダウン。
トゥルーエクス・Jr.は途中、グリーンフラッグ下でのピットで3位にポジションを落としましたが、じりじりと前との差を詰めていき、201周目に首位復帰。
205周目にこの日2度目のアクシデントによるイエローコーションが出されると、全車ピットへ向かい、トゥルーエクス・Jr.は2位、カイル・ブッシュ3位で再スタート。トゥルーエクス・Jr.は223周目にまた首位を奪い返しました。
首位に立ったトゥルーエクス・Jr.は後続との差をどんどん広げていき、約2秒の差をつけて独走でのトップチェッカー。ポールポジションからステージ1,2も制する完全制覇で今季4勝目、ケンタッキーでは昨年に続く2連勝を果たしました。
カイル・ブッシュは4位。レース途中から異常振動に苦しみながらも健闘を見せたエリック・ジョーンズが7位でフィニッシュしました。
次戦第20戦は7月22日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー マーティン・トゥルーエクス・Jr.
「良い気分です。何が起こるか分かりませんでしたが、この様に素晴らしいトヨタ・カムリを得て、圧倒的な速さで勝つことができました。今夜はレース中に多くの調整を行わなくてはならず、そのため何度かピットで2位や3位に落ちて追い上げる必要もありました」
「しかし、我々のトヨタ・カムリは信じられないほど好調でした。こんな素晴らしい車をドライブできて、私は幸運です。チームにとっても最高の夜になりましたし、2年連続でここで勝つことができたのも本当に嬉しいです。プレーオフを戦うためにも、1.5マイルオーバルでの勝利は重要ですし、これは計画通りです」
NASCAR XFINITY SERIES
第17戦 Alsco 300
開催日:7月13日
後方スタートから追い上げたクリストファー・ベルが今季2勝目!
7月13日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第17戦『Alsco 300』がケンタッキー・スピードウェイで開催されました。
13日(金)午後8時27分、1.5マイルオーバルを45周、45周、110周の3ステージ合計200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。今季6戦目のエクスフィニティ・シリーズスポット参戦となるカイル・ブッシュが3番手スタートから首位に立つと、ステージ1を制覇。シリーズレギュラーのブランドン・ジョーンズが6位となりました。
ステージ2もカイル・ブッシュが首位を快走。しかし、終盤ハンドリングの悪化に伴いかわされ、2位でステージ2フィニッシュ。ブランドン・ジョーンズが5位。
予選でスピンを喫したため、決勝スタート前に規定外のタイヤ交換を行ったとして後方へグリッドを後退してのスタートを強いられたシリーズレギュラーのクリストファー・ベルが7位までポジションを取り戻しステージ2を終えました。
ステージ3は序盤、コーションからの再スタート時に6位走行中のブランドン・ジョーンズが他車と接触しクラッシュ。好位置での走行を続けながら無念の戦線離脱となってしまいました。
カイル・ブッシュが首位を走る一方、7番手からステージ3の再スタートを切ったベルが目覚ましい追い上げを見せ、上位争いに参加。
この日、ステージ1,ステージ2ではイエローコーションがないまま推移しましたが、ステージ3に入ってからはクラッシュが多発。様々なピット戦略により順位が入れ替わりました。早めのピット作戦を採ったベルがポジションを上げていき、184周目に首位に浮上。
そのまま逃げ切り、後方スタートからの見事な追い上げを見せたベルが今季2勝目を挙げました。カイル・ブッシュはピットでポジションを落とし、追い上げましたが3位でレースを終えました。
次戦第18戦は7月21日(土)、ニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われます。
ドライバー クリストファー・ベル
「私はチャンピオンシップを戦うために、チームと共にここに来ています。シーズン前半戦では自分のミスもあってここまで最小限の結果しか挙げられていませんでしたが、ようやく2勝目を飾ることができたので、更なる勝利を狙っていきます」
NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第12戦 Buckle Up in Your Truck 225
開催日:7月12日
若手駆る3台のトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュ
NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第12戦『Buckle Up in Your Truck 225』が7月12日(木)にケンタッキー・スピードウェイで開催されました。
12日(木)午後7時50分、1.5マイルオーバルを35周、35周、80周の3ステージ合計150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタートしました。
今季4度目のポールポジションを獲得した19歳のノア・グラッグソンと、ケンタッキーでの初レースながら2番手グリッドを獲得した18歳のトッド・ギリランドが最前列に並んでスタートを切り、序盤はグラッグソンが独走。
グラッグソンは終盤ハンドリングが悪化し、追い上げてきたライバルとの首位争いを繰り広げましたが、惜しくも2位。ギリランドが3位。今季エクスフィニティ・シリーズにフル参戦し、今大会はトラック・シリーズにも掛け持ちでスポット参戦している21歳のブランドン・ジョーンズは6番手スタートから4位でステージを終えました。
ステージ2は、2番手スタートのグラッグソンが首位に立つと、途中、タイヤの異常振動に悩まされながらも逃げ切りステージウィン。その後方で2位争いを繰り広げたブランドン・ジョーンズが2位、ギリランドは6位となりました。
ステージ2を制したグラッグソンでしたが、ステージ3スタート前のピットで、異常振動のホイールを修復するためタイムロス、.13位へと後退。
ステージ3はコーションの出ない展開となり、中盤のグリーンフラッグストップを経ながらポジション争いが繰り広げられ、ブランドン・ジョーンズが4位、ギリランドが7位、追い上げたグラッグソンが8位でチェッカー。若き3人のドライバーが駆るトヨタ・タンドラがトップ10フィニッシュを果たしました。
グラッグソンはこれで7戦連続のトップ10フィニッシュとなり、ランキング2位を堅守しています。
次戦第13戦は7月18日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催されます。
ドライバー ブランドン・ジョーンズ
「最後のピットで大きくセッティングの変更を行いましたが、最後までハンドリングに苦しみました。しかし、レースを通して41号車(優勝したベン・ローズ:フォード)と良いバトルができたと思います。今夜はコース上でのポジションこそが重要でした」
「他車による乱気流が酷く、追い抜きは非常に困難でした。そんななかでの4位フィニッシュなので、全体的に見ればとても良い一日だったと思います。私はこの51号車と共にラスベガスでもトラック・シリーズに出場する予定なので、更に上を狙います」