マクラーレン・レーシングのCEOザック・ブラウンが、今季F1マシンMCL33には弱点があり、昨年型より優れているとはいえないと認めた。
パワーユニットをホンダからルノーに変更し、3年にわたる低迷から抜け出すことを目指したマクラーレンだが、2018年も大幅なパフォーマンス向上は見られない。マクラーレンはシャシー性能には自信を示してきたものの、レッドブル・レーシングやルノーと同じパワーユニットを搭載しながら、両者に大きく後れを取っており、第10戦終了時点でレッドブルとは151点、ルノーとは22点差のコンストラクターズランキング7位にとどまっている。
F1公式サイトのインタビューにおいて、今季苦しんでいる理由を聞かれたブラウンは、MCL33は期待していたほど優れてはいないと認めた。
「技術面の詳しい話をするつもりはないが、ダウンフォースレベルが昨年と同等ではないことは確かだ」とブラウン。
「昨年型マシンより弱くなっている部分があり、それがどこなのかは特定済みだ」
「去年の我々のマシンは他のどこよりも優れていたか? 答えは間違いなくノーだ。去年のシャシーの方が優れていたか? さまざまな要素が変化し続けているため、それについてイエスかノーかで答えるのは難しい。ただ、去年よりダウンフォースが減っているということは分かっている」
成績不振に苦しむマクラーレンは、従業員の上層部への不満が募っているともうわさされ、ホームグランプリのイギリスGP前に大規模な組織変更を行った。
4日、マクラーレンはレーシングディレクターであるエリック・ブーリエのの辞職を発表。マクラーレン・レーシングのCOO、サイモン・ロバーツが製造、エンジニアリング、ロジスティクスの監督を行い、アンドレア・ステラがパフォーマンスディレクターとして、トラックサイドオペレーションの責任を担い、今年5月に非公式コンサルタントとしてマクラーレンと契約したジル・ド・フェランがスポーティングディレクターのポジションに就くことが決まった。これに先立ち、春にはシャシー担当チーフテクニカルオフィサー、ティム・ゴスが離職している。
新体制を作り上げたブラウンは、これを維持していくことがチームにとってプラスに働くと確信している。
「この10年、我々のチームは不安定な状況だった。チーム代表が変わったり、CEOが変わったり、株主が変更したりと、安定性が欠けていた」
「どんな企業であろうと、状況が常に変わり続けては、一貫した形で方向性を定めるのは難しい。我々はそういう時代を終わりにし、ここから前に進んでいきたい」