人気ブロガーのはあちゅうさんが7月15日、AV男優のしみけんさんとの事実婚を自身のツイッターで報告しました。「結婚」ではなく「事実婚」であることが話題になっています。
事実婚とは、婚姻届を出さずに本人同士や周囲が「結婚している」という認識を持っている関係で、単に一緒に暮らしている「同棲」とは異なります。
近年「結婚にメリットを感じない」とよく耳にしますが、この「事実婚」が気になる人も多いようで、7月12日の「ガールズちゃんねる」にもメリット、デメリットを問いかけるトピックが立っていました。(文:篠原みつき)
「別れたい時に手続き等をしないですぐ別れられる」
まずメリットとして上がったのは、「手続きが楽」という声です。
「事実婚なら苗字を変えなくていい。免許とか書類とか変更がないから楽」
「別れたい時に手続き等をしないですぐ別れられる」
日本では夫婦別姓が認められていないため、結婚すればどちらかが銀行やパスポートの名義などすべて変更しなくてはなりません。事実婚なら別姓を通すことができるため、自営業など、自分の名前で活躍してきた人には大きなメリットです。職場で名前が変わることが不利益になると考える女性は少なくありません。
また、「親戚関係の煩わしさはないよね」との声もあるように、相手の親や親戚などと適度な距離を保てるというメリットも。「女性が経済的に自立していれば、事実婚にデメリットはない」というコメントもありました。
事実婚でも扶養に入ることは可能
一方で、デメリットとしては「相手に何かあった時に家族として対処できない」、「経済的に守られない」といった不安が挙がりました。「家族という単位を法律で保護されてて、それを放棄するのがデメリット」と言い切る人も。
「だから、法律の範囲で何かしようとすればいちいち面倒。 税金、相続、保険、住宅ローンは法律婚より不利か面倒。 あと、相手に何かあった場合に何かする権利がない。相手の親と対立したら裁判沙汰もあり得るよ」
確かに、相手に緊急の手術が生じたとき、代理人の署名をすることができないことは大きなデメリットです。税金面では、財産分与に贈与税がかかる可能性があり、相続税の控除や配偶者控除はありません。
しかし、「何の権利もない」「扶養に入れない」といった書き込みは誤解で、事実婚でも扶養に入ることは可能ですし、離婚時には年金の分割もされます。浮気をされれば慰謝料の請求もでき、遺言書があれば妻も遺産の相続人に、子どもは認知していれば夫の相続人になります。日常生活で困ることはほとんどないでしょう。
むしろ、一番のデメリットは、「周囲の理解が得られない」場合です。書き込みには「なんでわざわざ事実婚をしたいのかわからない」といった批判的な声も目立ちました。
「デメリットは単純に、なぜ籍を入れないのか問われること」とした人もいるほどです。確かに年かさの親戚など、周囲の理解が得られないときはプレッシャーに苦しむこともあるでしょう。はあちゅうさんのツイートにも、「離婚を前提に事実婚を選んでいる」というような無理解なリプライが入っていました。
しかし筆者が思うに、はあちゅうさんのように経済的に自立していて自ら事実婚を選ぶ人は、相手の収入にとらわれず、逆に「法律に縛られない、頼らない」固い絆あるとも考えられます。事実婚を自ら選ぶ人は大抵がいい大人で、自分でメリット・デメリットを踏まえた上で選択しているはず。本人たちがいいと思って選んだ道ならば、他人がとやかく言うこともないでしょう。