『サザエさん』と聞けば、多くの人が『庶民的な日本人家庭』と連想するだろう。だが、サザエさん一家は私達が思っている以上に成金一家なのかもしれない。
7月15日に放送された『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)では、林修氏がサザエさん一家の意外すぎる金銭事情を語った。(文:石川祐介)
東京都世田谷区に土地を所有、現在だと1坪200万円
アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)の放送が開始されたのは1969年のこと。だが、登場人物の年齢や環境は全く変わらず、その時代を何十年も繰り返しながら話が展開されている。
そのため、林氏は「現代とギャップが生じている」と口にし、「先日発売された『磯野家の危機』(宝島社)という本が磯野家の資産を明らかにしてしまいました」と話し始める。
なんでも、磯野家は「土地だけで2億円」と莫大な資産を持っているのだそう。磯野家の住所は「東京都世田谷区新町3-51」と設定されており、「今の地価で換算する1坪200万円くらいなので、土地だけで2億円になるんですよ」と説明する。
林氏は「波平さんが亡くなった時に、あの3人(サザエ・カツオ・ワカメ)の間で何が起きるのか…」と不吉な予言をし、将来遺産相続でトラブルが起きることを示唆する。
「設定を変えずに放送を続けていたら、世の中があまりにも変化してしまった」
さらに、「『あれだけの土地を持っている庶民っているの?』っていうのはわかっていただけましたよね」とサザエさん一家がいかに庶民的でないかを出演者に確認する林氏。
前出の『磯野家の危機』によれば「波平の年収は1000万円超え」だという。波平はエリートサラリーマン並に給料を貰っているらしく、「原作のサザエさんの31巻によると、波平さんの(月の)給料が7万円と出てるんですね。これを今の額に換算すると大体1120万円になる、マスオさんの方も年収550万円くらいある」と世帯収入が約1700万円もある計算になり「日本国民の上位1%に入っちゃうんですよ」と庶民どころ日本で数少ない裕福な家庭と言える。
そして、林氏は
「そしてこの低金利時代ですよ…なにやります?さーて来週のサザエさんは、
・波平、仮想通貨で大儲け
・波平、老後のためにタワマン下見
・波平、仮想通貨大暴落で真っ青
の3本です」
と、滑らかな口調でボケ倒していた。
磯野家が現代の庶民からかけ離れてしまった背景について、林氏は
「1970年代は一億総中流と言われていて、磯野家はその真ん中にいた。ただ、バブル崩壊、リーマンショックなど、そういうことがあるたびに、富が一部の人に偏る世の中になった」
と説明。「世界全体でみてもここまで経済格差が開いたのは初めて」だという。スタジオでは、出演者から「サザエさんがセレブだったのは予想外」という声も出ていたが、林氏は「サザエさんという作品には何の非もない」と擁護。
「設定を変えずに放送を続けていたら、世の中があまりにも変化してしまって、『リアルな庶民の暮らし』というラインをどこまで守っていけるか、という意味での危機」
と語っていた。