東京メトロ東西線の通勤通学時間帯の乗車率が、今年も199%で1位を記録した。7月17日に国土交通省が発表した調査で判明した。2位はJR総武線(各駅停車)の197%。そのほか、JR横須賀線(196%)、JR南武線(189%)など11路線で混雑率180%を超えた。
昨年、192%と高い混雑率を出した小田急線は、今春完了した複々線化の影響か、今回は151%まで大きく低下した。
混雑率は、150%は「肩が触れ合う程度で、新聞は楽に読める」程度だが、180%で「折りたたむなど無理をすれば新聞を読める」、200%は「体が触れ合い、相当な圧迫感があるが、週刊誌程度ならなんとか読める」状態になる。
大規模改良工事が進行中 終われば「ラッシュ時の本数を1時間あたり30本にできる」
ラッシュ時の混雑具合が凄まじい路線として浸透しつつある東西線だが、東京メトロも、同路線の混雑緩和を「喫緊の課題」と捉え、大規模な工事を実施している。
来年度は、飯田橋~九段下駅間の折返し線整備が完了する。既存の折返し線を本線化し交差支障を解消することで、折返し列車と後続列車の同時運行が可能となり、将来的に列車増発を実現できるという。
再来年度には、2010年度から続いていた茅場町駅の大規模改良工事が終了する。ホームを40メートル伸ばすことで、列車停止位置の変更とエスカレーター増設が可能になり、利用者の流れを分散し、日比谷線との乗り換えをスムーズにする狙いがある。
2021年度には、木場駅でのホーム・コンコース拡幅、南砂町駅での線路・ホームの増設なども完了する。南砂町駅では、ホーム1面、線路1線を増設して2面3線化することで、列車の交互発着が可能となり、ホーム上の混雑が緩和と遅延防止、安全性・利便性の向上が見込める。
東京メトロの担当者によると、現在行っている大規模改良工事が全て終了すると、ラッシュ時の1時間あたりの本数を3本増やし、30本にできるという。
「工事完了・本数増加が実現すれば、180%以下の混雑率になると見込んでいます」
昨年9月には、「東西線早起きキャンペーン」を通年実施に切り替え、オフピーク通勤の促進にも取り組んでいる。