連日猛暑が続く中、東京2020オリンピックの開催を心配する声が上がっている。東京五輪は再来年7月24日~8月9日に開催。今年同様の暑さになったら選手だけでなく観客も疲弊しそうだ。
ツイッターでは「死んでもおかしくない暑さの中でスポーツというのも狂気」「この暑さで夏季オリンピックしていいのか日本」などの投稿が多く寄せられている。これに対して陸上の元五輪日本代表・為末大さんがツイッターで開催時期について言及した。
欧米のテレビ局に配慮した日程で「思われているほど開催国には権限がない」
為末さんは7月16日、ツイッターで次のようにツイート。
「みんなこんなに暑くて大変なこの時期にオリンピックをやるなんてオリパラ委員会は何をやってるんだと言うけれど、アメリカのプロスポーツの間を縫うためにあそこしかできないのが本当のところだと思うので、苦情はNBC(編注:アメリカのテレビネットワーク)とかIOCに伝えた方がいいと思う」
そもそも国際オリンピック委員会(IOC)は開催日を7月15日~8月31日までの間に設定することを大前提とし、立候補都市を募った。IOCは欧米のテレビ局の放映権料を主な収入源としている。そのため近年は、視聴率で競合となる人気プロスポーツが欧米で開催されていない夏に五輪を開催している。
為末さんは「思われているほど開催国には権限がない」として、「社会を動かすためにはまずはご自身でIOCに連絡してみるのがいいと思います」と提案した。
ちなみに東京五輪の招致委員会は、提示された開催期間について「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と立候補ファイルで述べている。
「連日この猛暑の中でプレイしているプロ野球選手の方は心配にならないんだろうか」
一方で、為末さんは夏の五輪開催は「問題がない」と指摘。ただ「誰のためのオリンピックか」ということを考えると、「観客のためだとすると猛暑は避けたい」とコメントしている。
選手については、カタールでの試合に参加した自身の経験から「(カタールと比べ)正直このぐらいの暑さならという感じ」という。意外と平気なようだ。また「予選は昼間に行われるのではないでしょうか?35度の炎天下の中でも、大丈夫なんですか?」というリプライに対して、
「これまでの例でいうと国際大会の場合は午前中の早い時間と夕暮れ以降で試合をしてました。その場合は23時ぐらいまで試合をしてますね。流石に昼間にやることになったらきついでしょうね」
と答えている。真夏でも気温が低い時間帯に試合をすればいい、ということのようだ。為末さんはどちらかというと、
「連日この猛暑の中でプレイしているプロ野球選手の方は心配にならないんだろうか」
「昼間にやるインターハイや高校野球の方が心配だけれど。やっぱり国際大会じゃないからかな」
と疑問を抱いていた。