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「猫の里親募集する団体にげんなり」里親希望者の深いため息 猫を自分の承認欲求満たすために利用「まともな団体あるなら教えて」

2018年07月15日 10:01  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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僕は猫が好きだ。自宅では今、3匹飼っている。みんな可愛い。知人にも猫を飼っている人は多いし、自費で保護活動をしているNPOとも懇意だし、多頭飼育崩壊した家庭から多数の猫を引き取って譲渡会に出している人から、色々話を聞いたこともある。

でも、世間には想像以上に、ペットの飼育に責任を持てない人がいる。ペット不可物件に住んでいるのに平気な顔で譲渡会に来る人や、譲渡された猫がちょっと鳴くだけで「うるさいから」と返却する奴もいる。

こういう無責任な人が多いのはもちろん問題なのだが、中には、譲渡する団体側が問題を抱えていることもある。里親募集に応募して初めて、その実態が分かることも少なくない。(文:松本ミゾレ)

「2匹じゃないと『子猫の社会性が育たない』とキレられ、1匹じゃ譲れませんの一点張りに」


先日、はてな匿名ダイアリーに「猫の里親募集してる人たちの狂気」というタイトルの投稿がなされた。「猫を探しているんだけど、挫折して三度目ぐらいかな。嫌な思いばかりする」と、猫の里親募集をしている保護団体にかなりイラついている様子だ。

なんでも、里親希望者の人格、個人情報などはしつこく聞くくせに、自分たちは宗教・政治活動をしていて、その教義を押し付ける団体があったのだとか。さらには、団体によっては酷く粗末な環境で猫を管理している割に、里親希望者を「得体の知れない奴」扱いすることがあるとも語っている。

まともな団体があるなら教えて欲しいとまで書いているし、怒りは相当だ。

「すでに一匹いて、マンションの規約で二匹までしか飼えないから、もうあと一匹しか引き取れませんつって話が進んでたのに唐突にトップのおばはんが二匹いらないかといってきて、断ると『子猫の社会性が育たない!』とかキレたおして譲れませんの一点張りになるとか、なんかそういうわけのわからない団体めちゃくちゃ多い。げんなりする」

など、とにかくまあ恨み節が続く。

「応募してきた人間を自分の好みで判断して譲渡してて、猫の為じゃなくて自分の承認欲求を満たす手段としてやってるおばさんが多すぎていやになる」

駄目な保護団体に出会ったら、自治体や他団体に情報提供を

今回の投稿で紹介されていた団体は、猫の保護が本当の目的ではない組織とも読める。団体に辟易した投稿者の率直な感想は分かるが、できれば、このままその団体を無視するのは止めてほしい。

団体を放置すれば、劣悪な状態で猫を管理する団体は消えない。それは猫にとっても、猫を飼いたいと思ってコンタクトを取る人にとっても不幸だ。

方法は色々と考えられるけど、まずは、そういった劣悪な保護団体に管理の是正を促すのが良いだろう。各都道府県には保健所、そして動物愛護管理行政の実務を行う担当部署が置かれている。こういったところに、いわゆるタレコミを行って指導をしてもらうべきだと感じる。

あるいは別の真っ当な団体に「あそこの団体、ちょっと変なんですが」と相談するのも手かもしれない。案外横の繋がりってあったりするし。

まあ、こういうおかしな団体って、数はそれほど多くない。ほとんどの保護団体は、環境さえしっかり整っているのであれば、譲渡にも前向きになってくれるものだ。これは幾度も譲渡の現場に立ち会ってきた者としても保証をする。

6月にも譲渡に立ち会う機会があったが、この際も非常に譲渡までの道のりはスムーズだった。団体に「猫を引き取りたい」と連絡した女性が、譲渡可能な猫と実際に顔合わせをし、それから団体のメンバーに自宅の間取りや住所について情報を提供。そして実際に数日後に団体が直接自宅に猫を届け、その場で念書の取り交わしを行い、まずは2週間のトライアルとして、猫と暮らしてもらうという段取りだ。

この女性はトライアル期間を問題なく過ごしたことで、現在は正式に、飼い主として猫と一緒に生活している。大半の団体はこのように、特段猫を引き取りたい希望者にとって、面倒でも厄介でもない対応をしてくれるし、その際のやり取りも丁寧の一言に尽きる。

僕が怖いのは、おかしな団体が多いという情報のせいで、猫を飼いたい人たちが尻込みしてしまうことだ。せっかく猫と暮らしたくて、そのための用意ができているのなら、やっぱり保護猫はどんどん引き取ってもらいたいし、おかしな団体はきっちりその姿勢を見直す機会を得るべきである。