トップへ

芸能事務所で働く人々の希望と絶望 「残業は月250時間の過労死レベル」「理不尽さを乗り越えたときのやりがいはある」

2018年07月15日 09:01  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

これまでキャリコネニュースでは様々な有名企業で働いてきた人たちの口コミを紹介してきたが、当記事では職種ごとに限定し口コミを紹介していきたい。今回は芸能事務所で働く人たちの口コミを取り上げる。

芸能人が芸能活動を円滑に進めるための支援業務を受け持つ芸能事務所にはクリエイティブ職や事務職など様々な職種の人が所属しているが、当記事では特に芸能マネージャー職の人たちの口コミを中心に見ていく。(参照元 「キャリコネ」)

「若手のうちはロケ弁で食費を浮かせて凌いだ」


一般的な企業とは距離のありそうな芸能事務所だが、その性質上、土日・祝日、早朝・夜中など全く関係なく仕事のスケジュールが入るため、残業や休日出勤も多さはやはり覚悟しなければならず、特に給与面での不満を抱えているという人も非常に多い。

「給料は決して多くはない。ほかの制作会社と比べると良くも悪くもなく、といったところであろう。働く時間は正直長い。制作ではテレビ局での作業もたまにあるが、終電で帰ることもよくある。働くことが好きな人のみ耐えられる」(芸能マネージャー 20代後半 男性 300万円)
「残業代などの仕組みがなく、裁量労働制なので、給料は少ない。好きでないと続けられない職業だと思う。家賃補助や社員食堂などの仕組みもないため、大卒の初任給から家賃を払うと、なかなか貯金はできないはず。若手のうちは現場の仕事で出されるロケ弁当などで食費を浮かせてなんとかしのいでいる感じ」(芸能マネージャー 20代前半 女性 400万円)

社風に関しては体育会系という声が比較的多く、社員旅行や納涼会、誕生日会などイベントが何かと多いというのは、いかにもエンターテイメント企業らしい。

福利厚生について、大手では「ベネフィットステーションを活用した提携施設の利用等、福利厚生に関してはまずまずの環境であった。ただ、仕事が激務の為、利用しているスタッフはあまりいなかった」(クリエイティブ関連職 20代後半 女性 350万円)という声も。

「ライブやイベントなどで、全く関係ない部署の社員も駆り出されることがある。大きなイベントは全社員で一枚岩になって頑張りましょうという雰囲気。体育会系な考え方も強く、センパイより先に帰宅するな、センパイより長く睡眠取るな…という雰囲気。体力がないとやっていけない」(芸能マネージャー 20代前半 女性 400万円)
「基本、体育会系だと思います。服装や髪型などは非常に緩く、自由ですが(ピアス、刺青などしている社員多数。金髪や金髪以外のカラーヘアもOK)上下関係や先輩後輩関係は厳しく感じました。職場の雰囲気は悪くはないと思いますが、上長と人間関係が上手くいかない場合は非常に居ずらい職場」(その他 20代後半 女性 350万円)

「世間一般の人が体験できないような世界」「業界でも強い力がありやりがいはある」

こうした社風が肌に合うか合わないかははっきり分かれるところだろうが、仕事のおもしろ味、やりがいについてはやはり高い評価が目立つ。芸能人の"付き人"のイメージも強いが、実際は担当タレントのプロデューサー的な面が強く、タレントを売り出していく責任あるポジションであることがやりがいに繋がっているようだ。

「制作の仕事をしていた。あらゆるテレビ番組やライブの制作に携わることになった。実際に多くのお客さんを入れて、会場が沸いているところを見ると面白みややりがいを強く感じる。芸人と密に接してやりとりができるところもやりがいだろう。ただ、そのための準備などに相当な時間が必要だということは忘れてはいけない」(芸能マネージャー 20代後半 男性 300万円)
「普段からタレントとともに仕事を行うので世間一般の人が体験できないような世界であるとは思う。仕事をとるという作業と維持するという作業を行うが、業界の中でも非常に強い力をもっているので、会社の力で仕事を取ることは可能。また自社の劇場でのイベント制作などはやりがいがある」(芸能マネージャー 20代後半 男性 250万円)
「芸能界相手に仕事をする部分が多いので、理不尽さもありますが、それを乗り越えた時のやりがいはあります。自分の形にしたものが世に認められるのは非常に充実した瞬間です」(芸能マネージャー 30歳 女性 374万円)

また、マネージャー職以外の芸能事務所に在籍する人たちからも、「残業は月250時間ほどありました。過労死レベル。タイムカードは無く、残業代も月40時間分込みの給料で、それ以上は出ません。業務中に救急車が来る事もあったり、一年で部署のほぼ全員が辞めました。抱えるアーティストがメジャーなので、やりがいはあります」(ディレクター 30代後半 女性 380万円)など、好きでもなかなか続けられない現実が伺える。

「この会社を志望する方々は、音楽や映画などエンターテインメントが好きな人ばかりなので、スケールの大きいコンサートやライブ・映像作品などは業務上でも頻繁に観覧できる環境である。しかし、業務とプライベートの境目がなく、本当に好きで忍耐力のある人が残っている印象」(クリエイティブ関連職 20代後半 女性 350万円)
「自身の携わった業務の情報が解禁されるとネットやテレビ等様々なメディアを駆け巡ります。その時、受取手の反応はどうだ?とワクワクします。そしてそれがヒットに繋がった時には、それまでのストレス等が帳消しになるほどです」(商品企画 30代前半 男性 360万円)
「人気の芸能人を生で見れる。裏側を見れる。挨拶が丁寧な人もいれば反対も……。バッチリきめてくる人もいれば誰!?みたいな人もいます。タレントさんも皆さん気さくで社風が表れてるなーと感じます」(その他 20代前半 女性 435万円)

芸能人と一緒に仕事をしたいというミーハーな気持ちだけでは続けられないのも事実だが、エンタメ業界で大きな影響を与えられる夢のある仕事と言えそうだ。(参照元 「キャリコネ」)