元F1ドライバーのジャック・ビルヌーブは、自身が1997年にタイトルを獲得した際に在籍していたウイリアムズF1に対して「チームは死んだ」と厳しい評価を下している。
ウイリアムズが最後に勝利を経験したのは2012年のことであり、それ以前の優勝は2004年にまで遡る。2017年には中団グループのなかでも上位に位置していたものの、今シーズンはランキング最下位。パフォーマンスの低迷は問題の多いFW41のシャシーと、才能はあるものの経験の少ないふたりのドライバーによるものと考えられる。
チームが今シーズンに獲得したポイントは、ランス・ストロールがアゼルバイジャンGPで獲得した4ポイントのみ。しかしながら好転の兆しは見られず、ビルヌーブはチームの将来に関して冷酷ともいえるほどのコメントを発している。
「チームは死んだ。何も見えてこない……。単純に、マネジメントがまったくなっていない状態だ」と、ビルヌーブはMotorsport-Total.comに語っている。
彼は、チームの問題はフランク・ウイリアムズが息子のジョナサンではなく、娘のクレアを副代表に任命した際に始まったと考えている。
「以前は他にも後継者がいたのだが、彼らはジョナサンではなくクレアを選んだ。大きな間違いだったよ。今、チームがどうなっているかを見れば分かる」
「こういったチームの場合はピラミッドの頂点を見るべきなんだ。魚だって頭から腐る」
「チームの立場を認識するという点に関して言えば、彼らはまったく盲目だ。チームが滅茶苦茶になっていることを認めなければならないし、現状からどうやって脱出するつもりなのかも見えてこない」
言うまでもなく、ウイリアムズのメンバーの多くはビルヌーブの評価に賛同しないだろう。チームのテクニカルディレクターであり、パートナーでもあるパディ・ロウがこれまでにF1で築き上げてきた成功や、彼の持つ力量と専門知識に疑問を投げかける者はいない。
それでも、ウイリアムズが身を粉にして働かなければならない状態であることに間違いはない。しかしながらそれはマクラーレンにも言えることである。どちらのチームも、過去にはフェラーリと並んで大きな成功を収めてきたのだから。