始業時間を早めて出勤する「早朝出勤」を奨励する会社が増えている。主な目的は、長時間労働の削減と通勤ラッシュの解消。朝の過ごしやすい時間帯に通勤し、定時よりも早い時間に始業する働き方は、社員の負担も少なく効率的に見える。
しかし早朝出勤によって逆に労働時間が増え、社員が疲労してしまうケースも。企業口コミサイト「キャリコネ」には、早朝出勤に関するリアルな声が寄せられている。【参照元 キャリコネ 早朝出勤】
「休日出勤も当たり前。朝4時の早朝出勤もある」 キツイ早朝出勤の実態
「役職がつくと早朝出勤をしたり、深夜遅くまでサービス残業をしたりとハードスケジュールで、精神的・肉体的にも自分には合わないと感じた」(技術関連職、30代後半、男性、正社員、年収360万円)
「早朝出勤がキツすぎる。毎日朝5時に出勤して、退勤は22時が平均的である」(カウンターセールス、20代前半、男性、正社員、年収200万円)
「典型的なトップダウン式で上司の意見が絶対。仕事も決して楽ではなく休日出勤も当たり前。早朝出勤(朝4時とか)も有、帰りづらい雰囲気」(施工管理、30代前半、男性、正社員、年収500万円)
1日17時間におよぶ長時間労働、早朝4時からの勤務など、早朝出勤によってさらにハードワークになっている現状が多く見られた。また、役職がつき責任が増えることで、早朝出勤せざるを得ない立場になってしまう場合も。
本来ならば、通勤も職場も混み合わない朝の時間帯を有効に使い、集中して業務に取り組むことで、早く仕事を切り上げることができるはずだ。しかし現実は、ただ労働時間が伸びたただけになってしまっている職場も少なくないようだ。
「タイムカードは切らないので無償」 単なるサービス残業と化した早朝出勤
「残業は19時までと人事から言われていますが、19時までしか残れない=仕事が終わらないと朝早く行くしかないという状況。早朝出勤を多くの社員が行なっており、業務量もかなり多いです」(代理店営業、20代後半、女性、正社員、年収380万円)
「朝から晩までテレアポ地獄。早朝出勤も残業もお金は支払われずただのブラック企業でした」(法人営業、20代前半、女性、正社員、年収270万円)
「とにかく労働時間が多い。月の残業は100時間を超える。異常な労働時間の多さに労基の指摘が入ると、残業ではなく早朝出勤をするよう指示される。もちろんタイムカードは切らないので無償」(技術関連職、30代後半、女性、正社員、年収320万円)
さらに口コミでは、無償で早朝出勤している悲惨な状況が多く寄せられた。早朝出勤は、"残業を減らせる""生産性が向上する"という理由で推奨されることも多い。しかし残業する代わりに早朝から溜まった仕事をこなしているのが実態のようだ。
社員自身が自主的に早朝出勤することもあれば、上司からの指示で早朝出勤を強制させられてしまう場合も。こうした「やらざるを得ない」早朝勤務でもタイムカードを切ることができず、サービス残業ならぬ「サービス早業」になってしまっている。
このような社員にとって厳しい早朝出勤は、現場から環境を変えていくことが難しい。上司の命令や部署の暗黙のルールなど、従わざるを得ない空気が出来上がっている。企業側は残業や労働時間を削減するために「時間」だけを見るのではなく、業務量や部署の人数、シフトなど現場の状況を判断し、無理のない改革を進めていくべきだ。
早朝出勤をサービス残業の代わりにすることはあってはならない。早朝勤務を取り入れるならば、定時より早く帰れるようにルール作りを徹底すべきだろう。また、残業でも早朝出勤でも、本来の労働時間を超過した場合、企業は従業員に残業代をきちんと支払うべきである。【参照元 キャリコネ 早朝出勤】