2018年のWTCR世界ツーリングカー・カップに参戦しているチーム・ミュルザンヌは、レギュラードライバーとして起用している元F1ドライバーのジャンニ・モルビデリとの契約終了を発表。7月13~15日のスロバキアラウンドから新たに24歳の若手、ケビン・セコンを起用するとした。
イタリアを拠点に活動するミュルザンヌは、今季のWTCRにアルファロメオ・ジュリエッタTCRを投入し、モルビデリ、ファブリツィオ・ジョバナルディの2名を起用するオールイタリアン体制で臨んでいる。
しかし、現在50歳のモルビデリは競争の激しいWTCRで思うように速さを発揮できず、またマシントラブルにも苦戦。今季ここまでの5ラウンド/15レースを終えてのベストリザルトはオランダでの第4ラウンドで獲得した13位に留まっている。
この現状を受けてチームは10日に短い声明を発表。元F1ドライバーとの“プロフェッショナルな関係”が終わりを迎えたとして、事実上の更迭を発表した。
週末には第6ラウンドにあたるスロバキア戦が控えていることもあり、チームは11日に後任ドライバーについて発表。これまでAuto GPやGP3を戦ってきたセコンを起用することを明らかにした。
2011年にAuto GPのシリーズチャンピオンに輝き、17歳の若さでGP2(現FIA F2)への昇格を果たしたセコンは、フォーミュラを中心にレースキャリアを積んできたが、近年はELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズやブランパンGTにも活動の幅を広げている。
「ロメオ・フェラーリとチーム・ミュルザンヌに声をかけてもらえたことに感謝している」とセコン。
「2018年はレーシングドライバーとして活動できていなかったから、こんなチャンスが来るなんて思いもしなかった。FIA WTCRはテレビで見ていたし、一度コメンテーターを務めている。そんなレースに参戦できるなんて夢が叶ったような気分さ」
「未だに信じられないけど、スロバキアに向けて気合は充分だ! かなりタフなチャレンジになるけど、110%の力を発揮してアルファロメオ・ジュリエッタTCRをドライブしてみせる」
ロメオ・フェラーリのマネージャーを務めるミケーラ・セルッティは「ケビン・セコンはシングルシーターで実力を証明している若きドライバーだ。WTCRでいきなり実戦を迎えるのはタフかもしれないけど、彼の才能を信じている」とコメントしている。