「大変」「負担」「面倒」というイメージがあるPTA活動。7月、「LINEグループで保護者が割れた」という、はてな匿名ダイアリーのエントリーが注目を集めました。関係のない雑談を始める人たちと、無駄な通知は受けたくないという保護者で意見が分かれて対立しているとのこと。保護者会全体でのLINEグループにしているようで、そりゃうまく行かないだろうと思いました。
そもそも、LINEのやりとりだけで「意見」がまとまることは、ほぼありません。とくに女性の場合、結論よりも「話すこと」自体が目的になってしまう傾向があるので、議長不在で時間制限なく、だらだらと続いてしまいます。(文:篠原みつき)
LINEスタンプ送らないだけで「無愛想」と悪口の対象に
筆者も子どもが幼稚園のときから何度か保護者会の役員をつとめてきた関係上、保護者同士のコミュニケーションの難しさは知っています。LINE使用率ほぼ100%の現在、15人ほどの役員のLINEグループ2つに入っています。私はそれで極端に困ったことはありませんが、属するコミュニティによっては大変なことになる場合も。
友人の話になりますが、部活の保護者会グループで、連絡に「わかりました」とだけ返信をしていたら、「あの人はスタンプもいれない。無愛想」と悪口の的になってしまいました。リーダー格の女性に何かと難癖を付けられて、全員の前で謝罪させられたといいますから、恐ろしいですね。
よくあるのが、冒頭の雑談のケースのように「コミュニケーションを密に取りたい人」が数人いると、夜遅くまで雑談が止まらず、悪い時には陰口の温床になることも。ちゃんと返信をしているのに印象が悪くなってしまう、誤解やトラブルが起きてしまうのは、そもそも仲がいいわけでもない価値観の違う人間どうしが、義務感だけで集まっているからでしょう。
面倒なPTAのLINE、上手く活用するにはどうすればいいのか
しかし、LINE自体はとても便利なツールです。筆者の場合、役員のLINEグループではおおまかに次のような使い方をしています。
・基本的に連絡事項のみ、雑談はしない。情報交換・担当決めはある。
・グループを委員会ごとに細分化し、本部からの連絡を委員長が受けて、グループ内に転送する。
・決定事項や回覧書類は「ノート」に、写真で報告は「アルバム」に、「イベント」で出欠確認をとる
その上で、「返信は不要です」「返信ください」を明記して、スタンプの返信すら不要、という暗黙のルールもあります。すぐに既読にならなくても怒る人はいません。子どもが中学生なので、保護者はほとんど働いていて忙しいことと、PTAのLINEグループの使い方に皆が慣れてきたからでしょう。
また、これは専門役員で少人数の場合ですが、クラス単位でグループをつくって「会議に来られない人の意見も聞こう」などとやれば、かなりややこしくなります(冒頭の匿名ダイアリーがそうでした)。参加できない人は、代理の人に意見を託して会議の場で検討してもらうことをお勧めします。役割・任期が終われば、リーダーがグループをきちんと解散することも忘れずに。
このように何かと面倒なPTAですが、そもそもPTAとは、「Parent(親・保護者)と、Teacher(先生)の、Association(会)」という意味で、つまり、「子どもの教育を保護者と先生が責任を持って行う」という目的があります。PTAで行うことのすべてに言えることですが、「これは子どもたちの為になることか?」を、常に冷静に考えるべきだと思います。