ようやく終わった怒涛の3連戦。トロロッソ・ホンダはトラブルに悪戦苦闘しながら惜しくもポイントを逃してしまいました。イギリスGP週末の様子をムッシュ柴田氏がお届けします。
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クビになってからのブーちゃん(エリック・ブーリエ)の肉声をちょこっと伝えたトピックが、ランキングトップになってましたね。去年までホンダと組んでたから、皆さん興味があるということなんでしょうか。それとも、愛すべき悪役キャラだったから?
クビと言えば、F1解説の川井ちゃんがTV中継中に「ベッテル、クビですって」と発言して、日本で物議を醸したんですって?本人はもちろん、「シルバーストンの路面がバンピーで、ベッテルのクビに来た」と言いたかったんですが、普段から何かと省略したがる男ですからね。多くの人が、美しき誤解をしたようです。
「じゃあ来年のフェラーリは、ライコネンとルクレールなんだ」って僕が茶化したら、「そんなわけ、ねえじゃん」と、ほっぺたをふくらましてました(笑)。
で、マクラーレンですが、ブーリエなきあとの初めての定例会見が、土曜日に行われました。
ブーリエの後任と言っていいのか、ジル・ド・フェランが出席して、熱弁を振るってました。
はたして彼の手で、名門チームは再建されるのか。
でも土曜日はトロロッソ・ホンダの方が、ずっと大変でしたよね。ブレンドン・ハートレーがFP3でサスペンショントラブルで大クラッシュを喫し、原因がはっきりわからないためにピエール・ガスリー車のサスも大急ぎで交換してました。
それにしても最近のF1マシンって、足回りの交換だけで3時間もかかるんだそうな!それを今回は2時間でやり遂げて、みんなでガッツポーズ!トールマン、ベネトンのメカニックだった津川哲夫さんに、「昔はどれぐらいで?」って訊いたら、「ん~、15分だね」だって(笑)。
大クラッシュに遭遇した上に、予選も走れなかったハートレー選手。
「僕は決して迷信深いわけじゃないけど、ちょっといろいろ続きすぎてるよね」と、いつも前向きな彼には珍しく、「何とかしてくれ~」といわんばかりでした。
さすがにこれでトラブルも打ち止めだろうと思ったんですが、甘かったですね。
決勝日の朝にモノコックとエンジン本体などを交換して、チェック走行も無事に終えて、さあピットからスタートしようという矢先にトラブル発生。
さすがに厳しい表情でした。どうやら交換作業の際に、燃料パイプの組み付け不良が出てしまったようです。結局1周しただけで、リタイアとなってしまいました。
一方のガスリー選手は、レース終盤にセルジオ・ペレスをずばっと抜いて、10位チェッカー。モーターホームに戻ってくるなり、ママから祝福のキスを受けてました。
すでにこの時点では、ペレスと接触したことで審議対象になってたんですが、その後の囲み取材でも「あれは純粋に、レース中のバトルだよ」と、自分の行為に揺るぎない自信を持ってました。
なので5秒ペナルティを科されて13位降格が決まったあとには、「なんてバカげたペナルティなんだ」と、怒りのツイートを上げてました。
一方こちらは、もうひとりの怒れるフランス人ロマン・グロージャン(笑)。
「(カルロス・)サインツがあんなところフラフラ走ってるから、ぶつかっちゃったんだよ」とか何とか言ってるのかも。
それを忍耐強く聴き続けるハースの小松礼雄チーフエンジニア。今回のグロージャンはスタート直後にチームメイトにぶつかっていて、小松さんはむしろそちらを問題視してました。
グロージャンが言いたいことを吐き出したのを見計らって、そのあたりしっかりお灸を据えたんだと思います。前戦オーストリアで4位入賞の活躍を見せたのに、1週間後にはこれですからね。ドライバーのお守りも大変です。