2018年07月10日 09:52 弁護士ドットコム
元恋人が一方的に渡してきた300万円。このお金も贈与税の対象となるのかーー。弁護士ドットコムの法律相談コーナーに相談が寄せられました。
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相談者は先日恋人と別れましたが、その際に恋人から「自分が持ってても無駄だから使ってほしい」と約300万円を押し付けるような形で渡されました。
恋人は「自分の命をタテにしてまでずっと付き合ってほしいと懇願してくるほど粘着質」な人。女性はお金をどうすべきか途方にくれましたが、再び連絡をしたら「何をしてくるかわからない」ともらうことに決めたようです。
このように半ば無理やり押し付けられたお金にも、税金はかかるのでしょうか。田邊美佳税理士に聞きました。
相談者は一方的に300万円を渡されたそうですが…。
「贈与は財産をあげる方の『あげます』という意思表示と、もらう方の『もらいます』という意思表示によって成立します。
ご相談のケースですと、元恋人は300万円をあげる意思表示をされていますので、ご相談者がもらうと決めた場合には贈与となります。押し付けられたのでとりあえず受け取ったけど、もらうつもりはなく、後で全額返すという場合には贈与とはなりません。今回はもらうことに決めたとのことですので『贈与』となり、贈与税申告をする必要があります」
どのように申告すればいいですか。
「贈与税申告をする場合、贈与を受けた方が、贈与を受けた方のお住まいの所轄税務署に、贈与税申告書を提出する必要があります。贈与税申告の提出期間は、1月1日から12月31日までにもらった財産について、翌年の2月1日から3月15日までとなっています」
今回の場合、贈与税はいくらになるのでしょうか。
「贈与税は、もらった財産が110万円以下の場合にはかかりませんが、この金額を超える場合には超えた金額に応じた税率で贈与税を計算します。今回のケースでは、他に贈与を受けていない場合、(300万円-110万円)×10%=19万円を納める必要があります」
他に気をつけることはありますか。
「納税に関しては、申告書提出後に税務署から納付書が届くものではなく、ご自身で納付書を入手し、3月15日までに納税しなくてはなりません。納付書は税務署又は金融機関で入手できますので、期限内に申告書の提出および納税を済ませるよう気を付けて下さい」
【取材協力税理士】
田邊美佳(たなべ・みか)税理士
オネスタ税務会計事務所所長。公認会計士・税理士・行政書士・ファイナンシャルプランナー。相続税申告、生前対策業務をメインに行っており、国際相続案件にも対応可能。
事務所名 : オネスタ税務会計事務所
事務所URL: http://www.onesta-tax.com/
(弁護士ドットコムニュース)