朝のライフスタイルマガジン「朝時間.jp」を運営しているアイランドは7月6日、勤務時間に関するアンケート結果を発表した。アンケートは今年の5月、東京都在住の女性有職者144人、全国の女性有職者734人を対象に実施された。
「朝に前倒しで働いて、早く帰宅をしたり、仕事の効率化を図りたい」という気持ちがあるか聞いたところ、東京都在住の女性有職者は「とてもある」(43.1%)、「少しある」(26.4%)の合計が約7割になった。一方、全国平均でも、「とてもある」(33.7%)、「少しある」(32.4%)の合計が約66%になった。(文:宮西瀬名)
朝にクリエイティブな仕事をしたい人が増えている?
「朝に前倒しで働きたい」と考えている人が、7割もいるのはなぜか。脳科学者の茂木健一郎氏は著書『脳を最高に活かせる人の朝時間』(すばる舎)の中で、
「朝は脳がパワーを発揮しやすく、何かクリエイティブなことをするのにはもってこいの時間帯なのです」
と記している。近年、クリエイティブ系の仕事が増えており、頭のコンディションが良い朝のうちに、仕事をしたいと考える人が増えているのかもしれない。
また、子どもの保育園や幼稚園の送り迎えをする時間に合わせて、出社・退社時間を決めたいと考える女性も多そうだ。他にも、朝早く出社することで通勤ラッシュを回避し、ストレスなく仕事に臨みたいと考えている人も少なくないのではないだろうか。
フレックスタイムを導入している中小企業は数%のみ
なんにせよ、7割もの女性有職者が朝早くから働き、早く帰宅したいと考えているとなると、フレックスタイム制度を多くの企業で導入する必要がありそうだ。
ただ、導入企業は非常に少ないのが現状だ。厚生労働省の調査によれば、2016年時点でのフレックスタイム制度を導入している企業は、従業員数1000人以上の大企業で21.7%、300~999人の企業で13.2%、100~299人の企業で6.9%、30~99人の中小企業では2.2%とあまり普及していない。
だが日本は現在、深刻な人手不足で、超売り手市場と言われている。従業員は少しでも職場の労働環境に不満を感じれば、すぐに他の転職先を探すだろう。従来の働き方にこだわってしまうと、従業員が定着しなくなってしまう。今後、多くの企業は「従業員ファースト」を意識した労働環境改革が必須となっていくだろう。