3連戦の最後の一戦となった第10戦イギリスGP。良い形で締めくくりたかったトロロッソ・ホンダだが、シルバーストンのレースは厳しい結果が待っていた。
この日、最初のつまずきは、前日のフリー走行3回目でサスペンショントラブルによって、大クラッシュに見舞われたブレンドン・ハートレーに起きた。
クラッシュしたマシンの修復作業にともなってパワーユニットもICEとMGU-Kを新しくしたユニットに交換。ピットレーンからのスタートする予定となっていたハートレー。フォーメーションラップの30分前にピットレーンがオープンになると、ハートレーはほかのドライバー同様、スタート前にマシンの確認を行うためのレコノサンスラップを行うために、コースインした。
ところが、このレコノサンスラップ中に、「データに異常が発見された」(田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター)ため、ピットイン。ガレージにマシンを戻して、フロアを外すなどして確認を行なった。
「一部の部品を交換するなど、応急処置を行なって、なんとかレースをピットレーンからスタートさせたものの、症状が改善されなかったため、すぐにピットインさせてリタイアを決断しました」(田辺TD)
これでピエール・ガスリーの1台だけとなったトロロッソ・ホンダ。14番手からのスタートしたガスリーは、スタート直後の混乱をうまくかわし、他車のピットインなどによって、序盤からポイント争いを演じる。そして9番手に浮上したガスリーは20周目にピットイン。ソフトタイヤからミディアムタイヤに履き替え、14番手でレースに復帰。入賞を目指してレースを再開させた。
32周目に、他車のアクシデントで セーフティカー(SC)が導入されると、トロロッソ・ホンダはガスリーをピットインさせ、ソフトタイヤに替え、レース終盤に追い上げる戦略をとる。その後、レースが再開された直後に上位車2台が接触する事故が発生して、再びSCが導入されると、ガスリーのポジションは11番手までアップ。残り3周で10番手を走行するセルジオ・ペレスをオーバーテイクして、10位でフィニッシュした。
しかし、ペレスを追い抜く際に、接触事故を起こしていたため、審議の対象となり、審議の結果、ガスリーに5秒加算のペナルティーの裁定が下され、最終結果は13位となってしまった。
3連戦をノーポイントで終了する厳しい結果となったトロロッソ・ホンダ。ガスリーのペナルティはレースのアクシデントとして、避けられない面があった一方で、ハートレーの2度に渡るトラブルは起こしてはならない問題だった。3連戦は終了したが、次戦ドイツGPまで、やるべき課題は多い。