イギリスGP2日目のトロロッソ・ホンダは、ブレンドン・ハートレーのアクシデントとともに幕が開けた。
フリー走行3回目が開始して14分が経過したとき、最初の計測ラップに入っていたハートレーのマシンがコースアウトし、タイヤバリアにクラッシュしたのだ。
トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、「サスペンショントラブルだったことが判明しているが、それ以外は、詳細を調べている最中だ」と語り、ハートレーのマシンはモノコックにもダメージを負ったため、予備のモノコックを使用してマシンの修復作業を行うことになった。
そのため、予選に参加できなかっただけでなく、日曜日のレースはピットレーンからスタートすることになるので、ホンダは大事をとってハートレーのパワーユニットを新しいものに交換。クラッシュしたマシンに搭載されていたパワーユニットをHRD Sakura(栃木県の本田技術研究所)へ空輸し、ダメージの状態を調査することにした。
今回のトラブルのよりピエール・ガスリーの1台だけで、予選に臨むことになったトロロッソ・ホンダ。しかし、そのガスリーはハートレーのクラッシュを受けて、フリー走行3回目は4周を走行した後、フロントサスペンションをすべて交換することを決定。作業は予選開始直前まで行われた。
「フロントサスペンションをすべて交換しただけでなく、セットアップも変えた」というガスリーは、予選が開始するとともに真っ先にコースインしてマシンのフィーリングを確認。
Q1はなんとか15番手で通過したものの、Q1だけで3セットのソフトタイヤを使用していたため、Q2の1回目のアタックはユーズドタイヤとなり、新品タイヤでのアタックは1回だけとなった。
その1回のアタックで「ミスすることなく、マシンが持っているポテンシャルをすべて引き出した」(ガスリー)ものの、Q2は14番手どまり。Q3進出はならなかった。
「ハートレーのトラブルの影響を受けて、ガスリーにとってはぶっつけ本番の予選になりましたが、クルマの感触が良くて、なんとか14番手に入ることができました。ただ、そういった不運がなかったとしても、このサーキットではこれ以上の結果を求めるのは、難しかったと思います」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)
トラブルに見舞われた2日目のトロロッソ・ホンダ。しかし、考え方を変えれば、トラブルが土曜日に出て、しかもドライバーは無事だった。第3戦中国GP以降のトロロッソ・ホンダは日曜日に、2台のどちらか、または2台そろってレース中のアクシデントに見舞われている。日曜日のレースでは悪運を振り払って、2台そろって完走してほしい。