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『半分、青い。』間宮祥太朗ら個性豊かなキャラが次々登場! 「人生・怒涛編」開幕

2018年07月08日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 自身の漫画家としての限界を悟った鈴愛(永野芽郁)は、秋風塾として育ったユーコ(清野菜名)とボクテ(志尊淳)とともに秋風(豊川悦司)の元を巣立った。ユーコがずっと歌うことのなかった、シーナ&ザ・ロケッツ「YOU MAY DREAM」の“それが私のすてきなゆめ”という歌詞を3人で熱唱するラストで、『半分、青い。』(NHK総合)「東京・胸騒ぎ編」は幕を閉じる。第14週「羽ばたきたい!」の週の真ん中で、物語は「人生・怒涛編」へと移り変わるが、初登場の田辺(嶋田久作)が一緒にレジに立つ鈴愛へ「お嬢ちゃん漫画描いてたんだよね?」と一切配慮のない質問をする、まさに怒涛のスタートだ。


参考:『半分、青い。』第85話では、鈴愛(永野芽郁)が涼次(間宮祥太朗)と働くことに心地よさを感じる


 「人生・怒涛編」は、木曜から土曜日までの3回の放送となるが、秋風をはじめとしたオフィス・ティンカーベルに負けず劣らずの、濃いキャラクターたちが早速登場している。舞台は、1999年秋。鈴愛は、28歳にして100円ショップ「大納言」でアルバイトを始めていた。時給750円、月収12万円行くかの貧乏生活。学歴もなく、25歳過ぎで、社会的には今まで無職、漫画家をやっていたという変わった職歴を持つ鈴愛に就職先はなかった。ユーコからはお下がりの服を、ボクテからはお米を恵んでもらうプライドもへったくれもない生活。大騒ぎして上京してきた手前、夢破れて田舎の岐阜に戻れば、近所からは白い目で見られるのがオチだ。


 漫画家という夢を諦めた鈴愛が次に狙うのは結婚。平均滞在時間10分のお客、しかもそのほとんどが主婦層である100円ショップに出会いはない。一攫千金、外資系金融年収3000万の男性と飲み会という名のお見合いに繰り出すも、チャラい雰囲気についていけない鈴愛は、レジで合コンの愚痴を田辺に報告する日々。田辺は、大納言の雇われ店長で、愛称はモアイ像。電気代を浮かすために店で酒を飲み、そのまま次の日まで寝てしまういい加減な面もある。けれど、自分の顔が怖いことが大納言が流行らない一つの理由だと自覚している田辺は、それを緩和するために気の抜けた鈴愛を雇った。一応、店長らしいところもあるのだ。


 田辺を店長として雇っているオーナーが、“三オバ”こと藤村三姉妹の光江(キムラ緑子)、麦(麻生祐未)、めあり(須藤理彩)。初登場は、この三姉妹が夏の終わりにそうめんをすするシーン。光江は怪しげなエセ関西弁を話し、麦とめありは赤の色付きそうめんを奪い合うという、なんともシュールな映像だ。みっちゃんこと光江は、田辺と小学校の同窓生で、帽子教室を開いている。麦は野鳥オタクで、大納言の片隅に野鳥コーナーという名の聖域を置く。姉に作ってもらった帽子には好きな野鳥、ルリビタキ、ミコアイサ、ガビチョウを巣のように飾り付け、鈴愛を野鳥のシマエナガに例え、週末の運動会に向けた売り出しをしっかりするように田辺に指示をする、今のところ三姉妹の中では最もオーナーらしいのが麦だろう。


 その運動会に向けて、4日間だけ臨時の助っ人として大納言にやってくるのが、間宮祥太朗演じる森山涼次。「人生・怒涛編」で重要なキーパーソンとなる人物だ。一度お客として大納言を訪れていた涼次は、鈴愛を店長だと勘違いし、初出勤の挨拶で深く頭を下げ続ける。昭和46年生まれの28歳、タメ同士だと分かった鈴愛と涼次は一気に打ち解ける。涼次がお店に忘れていった手帳には、「僕は。」という詩が挟まってあり、鈴愛はそれを偶然読んでしまう。「僕は遅いかもしれない。でも、走ろうと思う」から始まる詩は、「翼は折れたかもしれない。でも、明日へ飛ぼうと思う」「僕はきみの望むような僕じゃないかもしれない。でも、きみのきみの心の日が消えそうな時は、そっとこの手をかざそう。いつまでも、かざそう」と締めくくられる。


 鈴愛は、実家に住む草太へ電話で漫画家を諦めた自分を「翼が折れた鈴愛」と話しており、涼次の詩と鈴愛の心境は大きくリンクする。第15週「すがりたい!」の予告には、早くも鈴愛と涼次の結婚を巡る話題が飛び交っており、2人が一気に急接近する展開が予想される。そして、まだシーンは少ないものの、「人生・怒涛編」には新キャラとして涼次の師匠にあたる映画監督・元住吉祥平(斎藤工)が登場する。事務所「クールフラット」では映画助監督の涼次は、4年前に海外の「コート・ダジュール映画祭」で視点賞を獲得した元住吉の映画『追憶のかたつむり』に魅了され、2作目に向けて夢を追いかけている。田辺、三オバ、元住吉とどこか共通しているのは哀愁漂う“だめんず”であること。そんな新キャラたちが、鈴愛の人生にどう交錯していくのか。今度こそ、鈴愛は結婚という幸せを見つけられるのかに注目だ。(渡辺彰浩)