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金魚が舞い泳ぐ異空間。アートアクアリウム

2018年07月08日 00:03  オズモール

オズモール

写真
◆金魚と光と芸術が踊る異空間へトリップ。「日本橋 アートアクアリウム2018」

幅約5.4mのデジタルアート屏風に金魚のシルエットが浮かぶ「大政奉還金魚大屏風」
毎年夏が来ると楽しみにしている「アートアクアリウム」が今年も日本橋にやってきました。金魚や錦鯉を中心に約8000匹もの観賞魚がアートと光に包まれて優雅に舞い泳ぐ会場は圧巻! 今年もさらにパワーアップかつ洗練された空間を、編集部Yがひと足お先に体感してきました。



約3000匹の金魚が舞い泳ぐ「超・花魁」
粋で派手好きな当時の江戸っ子にも見せてあげたい。現代の金魚観賞
日本橋といえば、江戸時代から変わらない商業の中心地。ここで生まれて花開いた江戸文化は、さまざまな美しい日本の芸術や風習を育ててきました。夏に風鈴の音を聞いたり、水の中を優雅に泳ぐ金魚を見たりして、五感で涼しさを感じる工夫をしてきたのだと言われています。そんな風習のひとつ、金魚観賞がアートとなって現代によみがえったのが「アートアクアリウム」なのです。
「今年は来たるオリンピックイヤーを意識して『真の日本』をコンセプトに、伝統的な工芸品と金魚のコラボレーション、金魚のほかにも錦鯉を前面にフィーチャーしているのが特徴です」と、アートアクアリウム アーティストである木村英智さん。フォトジェニックで神秘的でゴージャスなこのイベントの見どころをご紹介。


◆ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム2018 の見どころをピックアップ

見上げる金魚の芸術画「天井金魚」
入口からサプライズ!江戸時代の伝説を実現した「天井金魚」
まず、会場に続く通路から作品がスタート。ゆらゆらと金魚が泳ぎ、光の色が次々と変わる天井を見上げながら歩いていきます。アートアクアリウム アーティストである木村英智さんが、構想5年の歳月をかけて実現した「天井金魚」。かつて江戸時代の豪商はガラスの水槽を天井に作り、金魚を見上げて観賞していたという伝説があり、なんとそれを実現してしまったというから驚き。格子状の水槽を金魚たちがゆらゆらと泳ぐさまは、歴史的な建物の天井画を思い浮かべるようでいて、とても未来的な風景。伝統的な技法と最新テクノロジーと、生命のコラボです。
「下から見上げると通常は金魚のお腹しか見えないところをどうやって工夫したか、見どころのひとつです」と木村さん。



錦鯉が泳ぐ「アースアクアリウム・ジャポニズム」
1匹○千万!?今年はメイドインジャパンの錦鯉も主役
今回のアートアクアリウムは、金魚に加えて錦鯉がフィーチャーされているのが特徴。中国が発祥の金魚に対して、錦鯉は新潟県の山古志が発祥のメイドインジャパン。その美しさが外国人にも人気で、今世界中から注目を浴びている観賞魚のホープです。会場の中央に鎮座するのは「アースアクアリウム・ジャポニズム」という水の惑星・地球をイメージした作品。直径1.5mの巨大な水槽の中を錦鯉が自由に泳ぎ回り、表面には水が流れ、この球体自体も回転しているところに注目。また、「フローティングリウム」には、円筒型の水槽に、体長1mを超えているかのような巨大な錦鯉が優雅に泳ぎます。うわさではこの中に、最高級品種で1匹ン千万円するものもいるのだとか。



「床掛け金魚飾」、手前にあるのが月山作の日本刀
刀剣ラブな人は必見!月山作、前代未聞の金魚彫りが施された日本刀
ひときわすさまじいオーラを放っているのが、日本刀「翔英美天命(しょうえいびてんめい)」。史上初、この展示のために月山貞利さんが特別にあつらえた金魚の彫り物が施されているコラボ刀剣です。背景にはタコやエビ、ヒトデなどのデコラティブなオブジェが掛け軸を囲むように置かれていて、これはイタリア最古の宝飾ブランド・Cuusiで制作されたシルバーアート。そして中央に掛け軸となっているのが、デジタルアートの背景を泳ぐ金魚たち。どれもこれもが強烈な存在感で輝いているのですが、ライティングも効果的で、不思議なハーモニーを見せています。



左「キリコリウム」、右「テマリリウム」
金魚や錦鯉の美しい姿かたちと伝統工芸で「真の日本」を感じて
当然ながら金魚や錦鯉たちは1匹1匹が命があり、動いてる生き物。その姿自体が芸術で、カメラを構えても同じものは二度と撮れない刹那な感じも、夏を感じます。出目金やらんちゅうなど、アートに合わせて種類もさまざまで、じっと見ていると1匹ずつの個性があって全く飽きずに時間が経ってしまいます。

江戸切子の技法を使った鉢に金魚が泳ぐ「キリコリウム」や、球体の水槽に伊賀組紐を撒きつけて手毬をイメージした「テマリリウム」、金魚柄が施された九谷焼の器に金魚を入れて昔ながらの品評会に倣った鑑賞ができる「九谷金魚品評」など、伝統工芸品とアクアリウムのコラボレーションが見事。金魚を見るだけでなく、その器や装飾の物語にも思いを馳せて鑑賞すると、ぐっと楽しみが増えそうです。